【第2章】この世を色で染め上げて【リレー小説】

絵師になる道【みさと】 ページ32

二週間、
絵を描いて私は、やっと落ち着いた。
私の感情で色を変えるというリボンは灰色になっていた。薄まってはいるらしい。

散々暴れて、キャンバスも何もかもひっくり返しても、クロエお兄さんはニコニコしながら抱き締めてくれた。
後片付けはもちろん、２人で。

残り二週間で、私は、日本に帰る。
その前に、出しきらないと、
と、思っていたとき。

【絵師試験のご案内】と、フランス語で書かれた手紙が届いた。
神絵師の従兄弟である私を高く評価しているらしかった。
試験では沢山沢山描ける。
感情の闇も抜けると思う。

「受けてみたら？」
クロエお兄ちゃんはニコニコとそう言った。
「受けてみるよ。」
私は、そう言った。




帰ったとしてとも、どんな顔で雨月さんに会えばいいんだろう。

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