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「イロハさん・・・」
絞り出すような雨月さんの声を合図に、
私の中で何かが壊れるような音が聴こえた気がした。
「クロエお兄ちゃん」
そう低く呟いた。
その瞬間、私はクロエお兄ちゃんと一緒に倒れている雨月さんの影から音もなく出てきた。
「な、なんなんだ!??お前らは!!」
五月蝿くて怖い声、
今の私なら平気。
「クロエお兄ちゃん、ここも破壊しちゃって」
「良いよ。イロハの為なら」
感情のコップが溢れた音がした。
私の感情で色を変えるというリボンは、
私の髪に絡み付いている。
色は、漆黒────
激しい怒りの色──。。
白い筆をとって、純白の縄を描いた。
雨月さんのお父さんの首を、きつくきつく締め上げる。
「ねえ、自分より最も劣っている白色の私にころされかけるってどんな気分?」
ニコニコ笑みが溢れる。
なにこれ。
穢い穢い穢い穢い穢い穢い穢い穢い穢い穢い穢い穢い穢い穢い穢い穢い穢い穢い穢い穢い穢い穢い
本当は私の白に触れてほしくない位、
穢らわしくて汚ならしい。
目の前で泡をふく男から縄をといてあげる。
しんじゃったら大変だもんね。
でも、しぬより辛い目にはあわせてあげないと、
「今度、雨月さんとアキさんに手を出してみてよ?命はないから」
我ながらこんなに怒ったのは始めて。
自分を取り巻くのは強い殺意。
「爪、貰っていくね」
私は、自分で描いたペンチで男の親指の爪を剥がした。
酷い絶叫が不愉快で不愉快で不愉快で不愉快で
吐きそうになる。
気持ち悪い。
パァンッと大きな音が聴こえて、
家中を黒い闇が囲んだ。
「ころしちゃだめだよ。クロエお兄ちゃん」
「勿論。」
お兄ちゃんの色によってここも破壊されるのにそんなに時間は掛からなかった。
このまま、私は、雨月さんに振り返ることは出来なかった。
幻滅されるかも知れない。
嫌われているかも知れない。
会わせる顔がない。
どんな顔すればいいのかわからない。
ずっとずっとずっとずっとずっとずっと
イライラしてる。
怒ってる。
この怒りは誰に向ければいいの?
「イロハ、その怒りは絵にぶつけるといいよ。」
そう言われて、私は、クロエお兄ちゃんと一週間、本格的に絵を描き始めた。
フランスで────。。
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?胡桃_美咲翔?(プロフ) - 作りました!!パスワードは同じです!! (2020年3月23日 16時) (レス) id: 18eae7edc1 (このIDを非表示/違反報告)
天秋(プロフ) - ?胡桃_美咲翔?さん» ふあいとー! (2020年3月23日 16時) (レス) id: f69f9f0f1e (このIDを非表示/違反報告)
?胡桃_美咲翔?(プロフ) - ちょ、おけおけ、作るからまっててw (2020年3月23日 16時) (レス) id: 18eae7edc1 (このIDを非表示/違反報告)
蓮@雫3318(プロフ) - ?胡桃_美咲翔?さん» さぁてくるっちゃん…続編のお時間だぁ! (2020年3月23日 16時) (レス) id: 57a1a02777 (このIDを非表示/違反報告)
蓮@雫3318(プロフ) - 天秋さん» そゆことかな。 (2020年3月23日 16時) (レス) id: 57a1a02777 (このIDを非表示/違反報告)
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