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ページ22

「まあ、とにかく、極彩家一丸となって、この者を探すこと。
・・・よろしいですね」

「はい!!」

全員が、一斉に声を上げる

「本家が壊れた今、暫くは、この屋敷で過ごすように」

家長の言葉を最後に、集まりは終わった

皆、ぞろぞろと席をたつ

僕も戻ろうとしたとき




「雨月」

父に、低い声で呼ばれる

「お前、ちょっと部屋に来い」

「・・・はい」





部屋に着くやいなや、床に叩き付けられた

一瞬、息が出来なくなる

「・・・何か、知ってるんじゃないか」

「しら、ない、です」

必死に声を出すと、

「お前はなんだ!!!???落ちこぼれどころか、反逆者になるつもりか!!??」

鼓膜が破れるかと思うほどの怒鳴り声と共に、

おもいきり蹴飛ばされ、壁に激突する。

「ぐはっ!」

「はは、良いなあお前は。嫌なことから逃げられて。楽しかったか?向こうでの生活は?」

胸ぐらを捕まれる

正面から見た父の顔は、憎悪に満ちていた




・・・

変に聡いのって、得しないよなぁ

なんとなく、気づいた

僕が去ってからも、嫌みは続いたんだろう

『極彩家の人間が、他人の家に修行に行くなんて・・・』

『まあ、そうでもしないと・・・ね?』

頬に、鮮烈な痛み

殴られたらしい

「お前は、お前はっ・・・!」

口に広がる、鉄の味

でも、僕は、逆らわない





昔の彼女の声が、聞こえる

彼女に、両親にされていることを告白したことがある

彼女は、眉をひそめて言った。

反抗したらいいじゃない。それか、大人に相談するとか

それはできないと言うと、冷めた目をされた

『弱虫』






母は、本当は絵師になんてなりたくなかったらしい。

色で、世界を変えてしまうなんて、嫌だった

それより、白いキャンバスのなかに、自分の世界を造るほうが好き

でも、鮮やかな魂の母さんは、そうはできなかった


父さんは、本当は違う人と結婚したかったらしい

でも、その人は薄い色だから、許されなかった


両親の言葉の節々

親族の会話

僕の憶測で得たそれらが、

歯向かおうとする僕に絡みつく

だから、こうやって

手足の感覚をなるべく無くして、ただ暴力を受けるしか無い

(弱虫だなぁ)


いつのまにか、拳は止んだ

意識が朦朧としている

何か、生温かいものが、頭から流れた

・→←絡みつくもの【かふぇ】



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?胡桃_美咲翔?(プロフ) - 作りました!!パスワードは同じです!! (2020年3月23日 16時) (レス) id: 18eae7edc1 (このIDを非表示/違反報告)
天秋(プロフ) - ?胡桃_美咲翔?さん» ふあいとー! (2020年3月23日 16時) (レス) id: f69f9f0f1e (このIDを非表示/違反報告)
?胡桃_美咲翔?(プロフ) - ちょ、おけおけ、作るからまっててw (2020年3月23日 16時) (レス) id: 18eae7edc1 (このIDを非表示/違反報告)
蓮@雫3318(プロフ) - ?胡桃_美咲翔?さん» さぁてくるっちゃん…続編のお時間だぁ! (2020年3月23日 16時) (レス) id: 57a1a02777 (このIDを非表示/違反報告)
蓮@雫3318(プロフ) - 天秋さん» そゆことかな。 (2020年3月23日 16時) (レス) id: 57a1a02777 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:胡桃美咲翔 x他3人 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2020年3月21日 10時

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