春うらら/shp.ci ページ8
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春うららの今日、粛清山登呂月寺の階段を登る。
長い階段から解放されると、どこか浮世離れした寺がある。
「あれ、Aさんや」
「書比さん」
適度に緩んだ袈裟を着た住職の書比さんが出てくる。半帽子を被っているし、檀家回りが終わったのだろうか。
「この間の法事ぶりですね」
「そうですね。その節はお世話になりました」
二人してぺこぺこしていると、遠くから声が聞こえてきた。
「書比坊！ ……あれ、参拝者の方ですか？」
度の強そうな眼鏡をかけた青年は、探していたのか書比さんを呼んだ。
「今年は本厄なのでお札を貰いに来たんです」
「そうだったんすか。じゃあ案内しますよ」
青年には一言も返さずに私と会話を続ける書比さん。
「僕も着いて行って良いですか？」
「良いですけど、お札を貰うだけですよ？」
無視をされたことは気にしていないのか、青年はニコニコと私たちに着いてきた。
「僕、智偉埜です。よろしくお願いします」
「Aです」
この間の法事にはいなかったが、たまたま会わなかっただけだろうか。
「Aさんは僕がここに来て初めての参拝者さんなんです。僕はついこの間登呂月寺に来たので……」
智偉埜さんがここに来てどれくらい経ったのかは知らないが、そんなに人が来ないのか？ 確かに粛清山ってちょっと物騒な名前はしているけど。
「厄除のお札ですね。お名前書いておきます」
「ありがとうございます」
去年も前厄だったからこうやって世話になったなあ。来年も後厄のお札を貰うためにここに来なくては。
綺麗な字でさらさらと私の名前を書く書比さん。
「どうぞ」
「ありがとうございます。これはほんの気持ちですが……」
そう言いながらお札の代金を渡す。お寺も神社もこうやって切り盛りしているからね。
用は済んだし帰ろうかと思っていると、智偉埜さんが話しかけてくる。
「Aさん、良かったら羊羹食べていきません？ 昨日檀家さんから貰ったんです」
「だから俺のこと探してたん？」
「せやで。どうせ僕と書比坊だけじゃ食べきれないんで食べていってください」
普段は敬語で話す書比さんの関西弁は、聞きなれなくてむずむずした。
「俺はあまり食べる方じゃないんで、お時間あったら一緒に食べません？」
「良いんですか？ ならお言葉に甘えさせていただきます」
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脳内お花畑(プロフ) - ちびさん» ありがとうございます！田中さんですが、既に活動されていないのでアカウントは見つからないと思います…… (6月18日 16時) (
レス) id: 474916695b (このIDを非表示/違反報告)
ちび - うつくしいからゆっくり読まさせて貰ってます。とても好きです…田中様のイラストなのですが一通り探したのですが今も垢ありますでしょうか…？探し切れて無いだけかも知れませんが知っていたら教えてくださると幸いです。これからも応援してます (6月12日 7時) (レス) @page6 id: 3cdb4a4830 (このIDを非表示/違反報告)
月峰一樹(プロフ) - 教えてくださりありがとうございます……！文字数の関係で少し崩れた言葉になっていて申し訳ないです……。下でも書きましたが、これからも応援しております……！ご親切にありがとうございました……！ (2021年2月6日 2時) (レス) id: cb8c485acf (このIDを非表示/違反報告)
脳内お花畑(プロフ) - 月峰一樹さん» 嬉しいですありがとうございます〜！従順な女は18/6/23の国営放送でDVは18/4/7の国営放送です〜！有料なのでch会員でしたら是非見てみてください！ (2021年2月6日 1時) (レス) id: 1816461051 (このIDを非表示/違反報告)
月峰一樹(プロフ) - コメント失礼します。全部刺さり過ぎて……凄く好きな作品です……！初対面で申し訳ないのですが、knさんのソースってどこですかね…？(このコメントがダメなようでしたら消します)これからも応援しております……！作者様のペースで頑張ってくだたい！ (2021年2月6日 0時) (レス) id: cb8c485acf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：脳内お花畑
| 作成日時：2021年1月15日 19時
