【ωrωrd!】踏切の向こう側【短編集】

通い彼氏/sha ページ13

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ニット帽を被り、デニム生地のオーバーオールを着た男が煙草を吸う。

「最近どうや？」
「別に普通」
「相変わらず冷たいなあ」

へらへらと笑う男は、可愛げのある服装に似合わずギャングである。他のギャングたちと殴り合うことは日常茶飯事であり、生傷は常に絶えない。
なぜ私がそんな野蛮な男と知り合いなのか、それは単純に私がこいつと出会ったときはギャングだと知らなかったからである。
裏社会の人間と知り合いたいなんて欠片も思っていなかったし、今もさっさと縁を切りたいのが本音だ。
だというのに、このシャオロンと名乗るギャングは私のところに週に一度のペースで通ってくる。

「私、ギャングとつるみたくないんだけど」
「それは無理な話やな」

お互いに行きずりの相手だったはずだ。ワンナイトラブの関係で終わるつもりだったのに、シャオロンはしつこいくらいに私の家に入ってきては煙草のにおいを残して帰っていく。
遠い目でどうしようかと考えていると、突然煙草のけむりを吹きかけられる。

「けほっ、ちょっと、なにするの」
「ぼーっとしてたから起こしたろうと思って」

いたずらっ子のように笑うシャオロンに手をあげれば、難なく押さえられてしまう。

「もう私に関わらないでほしい」
「酷いやん。俺はAの恋人になりたいんやけど」

薄々そんな気はしていた。シャオロンはあからさまに私との距離を詰めてくるし、脈のあるようなセリフをよく吐いてくるから。

「一度寝たくらいで彼氏面しないで」
「じゃあ何回寝たら彼氏になれるん」
「何回寝てもなれないよ」

減らず口が過ぎる。ため息を吐きながら答えれば、シャオロンは口をすぼめる。

「Aが頷いてくれるまで俺は諦めへんよ」
「それはお互いさまだから」

付き合うなら堅気じゃなくちゃ、それを理解してくれるまで進展はなさそうだなあ。
煙草を吸うシャオロンの横顔を見ながら、そんなことを考えてる自分に呆れてしまう。職業のみを考慮している時点で、満更でもないのだ。


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リク「ぎゃんびパロsha」
ありがとうございました！

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