検索窓
今日:8 hit、昨日:3 hit、合計:388,448 hit

思い出すのは ページ6

.




「じゃあね〜、ごちそうさまぁ!」


「明日遅刻すんなよ」


「しませんん〜」


「はは、じゃあな」


「おやすみぃ」


「ちゃんと鍵かけろよ」


「わぁかってるってばぁ〜」




太輔くんでは、毎回言うんだもん。

いくら酔っ払ってたって、鍵くらいかけますよぉだっ。




手を振る太輔くんを乗せて発進したタクシーにを見送って。

マンションのエントランスをくぐる。

玄関の鍵をあけて、太輔くんの言い付け通り鍵をかけて。

一度座ってしまうと動きたくなくなってしまうから、そのまま脱衣所に直行。




「っはぁぁーーー……」




シャワーを浴びながらふと思い出すのは、秀のこと。

仕事で忙しい毎日で、思い出すことがなかった今日まで。

それが太輔くんとの会話で、一気に思い出すキッカケになってしまった。




ベッドに横になり、携帯のラインを開いて。

すっかり酔いも覚めた頭で、"秀"とのトークを開く。




>もう会えないの?




私が送ったこの一文で途切れたままの秀とのライン。

既読済みのこの一文に、秀は何を思ったのか。

こうなってしまった今。

もうこの先答えを聞くことは出来ない。




ーブブッ…




寝ようと目を瞑った瞬間、静かに震えた携帯。




>夜分にすいません。お聞きしたい事がありご連絡しました。




「なによぉもおぉーー…」




送信元は、玉森裕太。




>どうしたの?長くなるようなら電話ちょうだい。




そう返信すると、すぐに既読が付いて。




ー♫〜




…早速かい。




「…はい?」


『夜分にすいません、玉森です』


「…わかってるけど。どうしたの?」


『…先輩、もう家ですか?』


「そうだけど?どうして?」


『…いえ、それならいいんです』


「は?」


『…えっと、今度僕が見学させていただける商談についてなんですが、携わるにあたっての大まかな内容を把握しておきたいと思いまして…』


「…あ、あぁ、松本様の件よね…、」




眠ろうと思っていたはずが、結局つらつらと15分以上も話し込んでしまい。

どうも私は仕事には熱いタイプらしい。




『…すいません先輩。こんな遅くまで』


「だぁーかぁーらぁ、すいませんじゃなくて、ありがとう、なのっ」


『…ありがとうございます』


「でもほんと、あなたって仕事熱心よね。もう少し自身持って明るくなれば絶対モテると思うんだけど」




…しまった。

これじゃあ"あなたは暗い"って言ってるようなもんじゃない…



.

お願い→←立候補



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (743 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2234人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

すなぎも - めっちゃ面白いです!!続きがとても気になります!更新待ってます! (2018年7月25日 21時) (レス) id: ef1e270871 (このIDを非表示/違反報告)
はじめ - 続きがとても気になります!更新待ってます! (2018年4月4日 14時) (レス) id: e3f41243e4 (このIDを非表示/違反報告)
kumi(プロフ) - 初めから一気読みしました!めっちゃ面白いですね!!ブラック玉ちゃんカッコイイ!!続きが気になりますっ!!! (2016年7月12日 2時) (レス) id: 8cddf2f951 (このIDを非表示/違反報告)
たまま - このお話のたまちゃんすごい好きです! 続きが気になってしょうがないです! 更新楽しみにしてます! (2016年2月18日 19時) (レス) id: 18ff77bab6 (このIDを非表示/違反報告)
はるる - 頑張って下さい! (2016年2月7日 22時) (レス) id: fb87ff9d5e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:K | 作成日時:2015年3月10日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。