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こんちくしょう ページ26

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「A、着いたよ」





その声で目を覚ました場所は、私のマンションの前。

…うん、そうよね。

なぜかあの時のことを思い出してしまう私。

目が覚めたら誰かのベッドの上なんてもう御免だわ。






「おーい、平気?」


「…あ、うん!ありがとう」


「ん、じゃな。おやすみ」


「おやすみ。また明日」


「…あ。お前さ、一応熱測っとけよ?あと飯ご馳走様」


「はいはい、じゃあね〜」






熱なんかないですよー、って心の中で呟きながらタクシー見送って。

マンションのエレベーター待ちながら、そんなにあいつに反応示してた自分が情けなく感じた。



なんだろう

なんかもう、あいつの良い様になってるような気がする。






ーーーガチャ





「はぁ…」





自然と出てる溜息。

一人のリビングで思い出すのは、あの玉森くんのこと。

頭が痛い。



…だめだ、一人だと思い出しちゃう。



そう思って携帯を開けば、ラインの通知が一件。





>熱、測ったか?





…優男か。



太輔くんからのラインに適当に返事して、スーツを脱ぎ捨ててお風呂に向かった。





「本性ねー…」





だいたいね

あの裏表はなんなの?

なぜ私だけにブラックを見せるのよ。

なんか理由があるとか?

理由ねぇーー…

理由……、

うーーーーーん……





……いやいやいや、

なぜ私がこんなにも悩まなきゃいけない。






ーーーザバッ





「…こんちくしょう」





あんたのせいで私は頭が痛いよ。

この歳で男に悩ませられるなんて勘弁して。





玉森裕太への怒りをつらつらとひとしきり呟いた後、明日の準備をしてベッドへ飛び込んだ。

今日は寒いなーなんて思いながら目を瞑れば、なんだか頭がガンガンしてくるわけで。





「…」






ーーーピピッ…






37.8と表示された体温計を見て絶句する。

太輔くんが言った通りじゃない。

まさかほんとに熱が出るなんて…






「…最悪」






大きく溜息をついて、布団を頭から被って目を瞑った。



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すなぎも - めっちゃ面白いです!!続きがとても気になります!更新待ってます! (2018年7月25日 21時) (レス) id: ef1e270871 (このIDを非表示/違反報告)
はじめ - 続きがとても気になります!更新待ってます! (2018年4月4日 14時) (レス) id: e3f41243e4 (このIDを非表示/違反報告)
kumi(プロフ) - 初めから一気読みしました!めっちゃ面白いですね!!ブラック玉ちゃんカッコイイ!!続きが気になりますっ!!! (2016年7月12日 2時) (レス) id: 8cddf2f951 (このIDを非表示/違反報告)
たまま - このお話のたまちゃんすごい好きです! 続きが気になってしょうがないです! 更新楽しみにしてます! (2016年2月18日 19時) (レス) id: 18ff77bab6 (このIDを非表示/違反報告)
はるる - 頑張って下さい! (2016年2月7日 22時) (レス) id: fb87ff9d5e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:K | 作成日時:2015年3月10日 21時

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