特別な思い ページ25
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「玉森、どうだった?」
「っえ!?」
「え?ミスしたとこ教えてたんだろ?」
「…あ、うん、まぁ」
「まぁあいつのことだから飲み込みは早いだろ」
「…うん、まぁ」
「…」
「…」
「……なんかあったの?」
「…へっ!?なにが!?なにもないよっ」
玉森くんの名前聞いた瞬間に頭に浮かんださっきのキス。
唇の柔らかさとか舌の感触までもが妙にリアルに覚えてる。
「…お前、なんか変」
「…は?」
「熱でもあんじゃね?顔、赤い」
「…、///」
慌ててビールを流し込む。
頭の中の邪念を掻き消したかった。
「…た、太輔くんは、帰ってから何してたの?定時で帰ったよね?さっき」
「…あぁ、まぁ。ちょっと駅前の本屋寄って、腹減ったから久々に自炊でもしようかと思ったんだけどさ。結局面倒くさくなって食いに行こうかな、って」
「…それで奢って貰おうってわけね」
「まぁね(笑)」
たわいも無い話でも楽しいし、周りには少し言いにくい話だって太輔くんになら言えるんだ。
だから玉森くんの話も聞いてもらおうかと思った。
でも、なんでか言えなかった。
…ううん、言いたくなかったのかも。
私だけが彼の本性を知ってる、っていうこと。
そのことが、自分の中で少しだけ特別な思いになりつつあった。
「やっぱ今日のA、なんか変」
「どこがよ(笑)」
「たまにどっか遠い目してる」
「…」
「なんか悩んでることあんの?」
「…別に、」
「俺で良ければ聞くから」
「…うん、ありがと」
明日も仕事だからって、今日はほどほどのアルコール摂取。
宣言通り今日は私の奢りで店を出て、二人でタクシーに乗り込んだ。
「あー…、ねむーい…」
途端に襲ってきた睡魔に重くなる瞼。
昨日はいろいろ考えちゃってあんまり寝れなかったからなぁー…
「A?眠いの?」
「んーー……」
「ふふっ。起こしてやるから、寝ていいよ」
「…ん、ごめん……」
そこから先、私のマンションに着くまでぐっすりだったことだけは覚えてる。
「……ったく。相変わらず無防備だな」
…それともう一つ。
太輔くんのいた左隣が、あったかくて柔らかかったことも。
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すなぎも - めっちゃ面白いです!!続きがとても気になります!更新待ってます! (2018年7月25日 21時) (レス) id: ef1e270871 (このIDを非表示/違反報告)
はじめ - 続きがとても気になります!更新待ってます! (2018年4月4日 14時) (レス) id: e3f41243e4 (このIDを非表示/違反報告)
kumi(プロフ) - 初めから一気読みしました!めっちゃ面白いですね!!ブラック玉ちゃんカッコイイ!!続きが気になりますっ!!! (2016年7月12日 2時) (レス) id: 8cddf2f951 (このIDを非表示/違反報告)
たまま - このお話のたまちゃんすごい好きです! 続きが気になってしょうがないです! 更新楽しみにしてます! (2016年2月18日 19時) (レス) id: 18ff77bab6 (このIDを非表示/違反報告)
はるる - 頑張って下さい! (2016年2月7日 22時) (レス) id: fb87ff9d5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:K | 作成日時:2015年3月10日 21時