調子狂う ページ23
.
「じゃあ…もう一個聞いていい?」
「んー、内容によってはダメです」
「…なんでよっ」
「んはは、冗談ですよ。キスしてくれたら聞いてもいいですよ?」
「っな…、///」
ポケットに手なんか突っ込んじゃって、マグのコーヒー啜りながら笑ってやがる…←
私だけ焦ったりして理不尽極まりない。
ーガタッ…
「…っん、」
チュ、って軽く唇を押し当ててやった私。
なんでって、ただの意地と勢いのみ。
「…ほらっ、したから聞いてよねっ//」
「…」
自分でもなんてことしてんだろう、って思ったけど。
そう思った時には遅かった。
「…そんなキスじゃダメですよ」
「は…、」
「ちゃんとしたやつ、下さい?」
「…っ、///」
椅子に座ってる私を覗き込むようにして屈んだ彼。
ニコ、っと口角をあげて微笑む彼はまさに小悪魔だと言える。
「…も、もういいわよっ!!私帰るからねっ!!」
「あ…、」
デスクから自分の鞄ひったくって、わたわたと出口に向かう。
すでに私達以外は誰もいなくなった部署内に私のヒール音がカツカツと響く。
「…待って、」
その声と共に引っ張られた手首に立ち止まる。
ゆっくりと振り向けば、少しだけ余裕の無さそうな表情をした玉森くんの姿が。
「聞きたいこと、聞いてくれないんですか?」
「…だって、あなたが言ったんじゃない。そんなんじゃダメだって…」
彼の意外なその表情に戸惑ってる自分がいる。
あーもう、調子狂う……
「…そうですけど」
「…」
手首を掴んでた手がスルスルと下に移動していき、自然と繋がれた手。
その手をギュ、っと握る彼の切ない表情から目が離せない。
「……どうして私だけ?」
「え?」
「…どうして私だけに本性を見せるの?」
「…」
彼は手を握ったまま呟いた私の顔をジッと見つめる。
その目は逸らされることなく、まるで何かを訴えているようだった。
「……それも内緒にしておきます」
「えっ?」
「先輩がもっと俺に興味持ってくれたら教えます」
「…は?何を…っ」
突然グイ、って繋がれた手を引っ張られて。
バランスを崩した私は玉森くんの腕の中。
咄嗟に離れようともがく私の背中に回る玉森くんの腕に力が入る…
「…っちょ、玉森くんっ…!?」
「…」
.
2234人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すなぎも - めっちゃ面白いです!!続きがとても気になります!更新待ってます! (2018年7月25日 21時) (レス) id: ef1e270871 (このIDを非表示/違反報告)
はじめ - 続きがとても気になります!更新待ってます! (2018年4月4日 14時) (レス) id: e3f41243e4 (このIDを非表示/違反報告)
kumi(プロフ) - 初めから一気読みしました!めっちゃ面白いですね!!ブラック玉ちゃんカッコイイ!!続きが気になりますっ!!! (2016年7月12日 2時) (レス) id: 8cddf2f951 (このIDを非表示/違反報告)
たまま - このお話のたまちゃんすごい好きです! 続きが気になってしょうがないです! 更新楽しみにしてます! (2016年2月18日 19時) (レス) id: 18ff77bab6 (このIDを非表示/違反報告)
はるる - 頑張って下さい! (2016年2月7日 22時) (レス) id: fb87ff9d5e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:K | 作成日時:2015年3月10日 21時