じゃあ? ページ3
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「玉森くん、この書類まとめといてくれる?」
「あ、はい」
受け取った書類を見て、すぐさまキーボードを鳴らしていく玉森裕太。
「ねぇ、あなた参加する?」
「…何を、ですか?」
「新人歓迎会。あなたたち新人を歓迎する会よ」
まぁ、新人は費用かからないし。
来て損はないからね。
「…先輩は?」
「え?」
「先輩は、行かれるんですか?」
「ん、まぁね。一応新人の教育係だし」
玉森くんだけじゃなく、他にも何人か指導しなきゃいけない新人もいて。
もしそうじゃなかったら、行かなかったかもだし。
「…じゃあ、行きます」
カタカタ、ってパソコンの画面見つめたままそう呟いた彼。
…じゃあ?
じゃあ、ってどういうこと?
「…そう。じゃあ潰されないように気をつけなきゃね」
タンタン、て書類まとめて。
じゃあよろしく、ってその場を離れようとした。
「僕が潰れないように、ちゃんと指導してくださいね、先輩」
玉森裕太の小さな声が聞こえて。
…何言ってんだこいつは。
「それくらいは自分で責任持つこと」
持ってたファイルで、ペシッて軽く玉森くんの頭を叩いて。
自分のデスクに戻った。
「っあぁーーー……」
大きく伸びをして周りを見ると、すでに周りの社員はいなくなっていて。
時計を見ると、すでに19時を過ぎたところ。
…また知らない内に残業しちゃってたし。
ふぅ、って一息ついてイスに身を投げ出す。
目を瞑ってジッとしてたら、不意に隣に感じた人の気配。
…と、コーヒーの香り。
「また残業してんの?」
その声に目を開けると、マグを二つ手に持った同僚の姿があって。
一つをコト、と私のデスクに置いた。
「ありがと。そういう太輔くんもじゃない」
「ふふ。まぁね」
「私の場合、気付いたら残業してたパターンが多いから。得でしょ?」
そう言ってマグのコーヒーを啜ると、ハハハって白い歯を見せて笑う同僚。
「意味わかんね、なんだよ得って(笑)」
「いーの。まぁ、今日のところはコーヒー飲んだら帰るかな〜…」
パソコンの画面スクロールしながら、再びコーヒーを啜る。
「帰ってなにすんの?」
「え?んー…、コンビニで缶ビールでも買って、一人晩酌?」
「なにそれ、オヤジじゃん」
「いーの。もうっ、人の勝手でしょ!」
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すなぎも - めっちゃ面白いです!!続きがとても気になります!更新待ってます! (2018年7月25日 21時) (レス) id: ef1e270871 (このIDを非表示/違反報告)
はじめ - 続きがとても気になります!更新待ってます! (2018年4月4日 14時) (レス) id: e3f41243e4 (このIDを非表示/違反報告)
kumi(プロフ) - 初めから一気読みしました!めっちゃ面白いですね!!ブラック玉ちゃんカッコイイ!!続きが気になりますっ!!! (2016年7月12日 2時) (レス) id: 8cddf2f951 (このIDを非表示/違反報告)
たまま - このお話のたまちゃんすごい好きです! 続きが気になってしょうがないです! 更新楽しみにしてます! (2016年2月18日 19時) (レス) id: 18ff77bab6 (このIDを非表示/違反報告)
はるる - 頑張って下さい! (2016年2月7日 22時) (レス) id: fb87ff9d5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:K | 作成日時:2015年3月10日 21時