検索窓
今日:24 hit、昨日:3 hit、合計:388,464 hit

小悪魔 ページ15

.



昨日はあれから真っ直ぐ家に帰った。

だけど結局、なんだか脱力しちゃってなにも出来なかった。





…私、どうしてあんなになるまで飲んじゃったんだろう。


どうして太輔くんの注意聞かなかったんだろう。


どうして玉森くんに甘えちゃったんだろう。


どうして太輔くんじゃなくて、玉森くんに送ってもらったんだろう。


どうして玉森くんと…ヤっちゃったんだろう……





いろんな疑問が一気に頭の中を駆け巡りながら、今日も電車に揺られてる。





「っはぁーー……」





…仕事、行きたくない。

こんなにやだ、って思うのなんて久しぶりかもな。

入社してすぐの時も、一時期行きたくないって思ったっけ…





何度も溜息を尽きながら会社の自度ドアをくぐり、受付を済ませてエレベーターの前に立った。




玉森くんになんて声かければいいんだろ…




たくさんのエレベーター待ちの中に紛れ込んで、また一つ溜息を尽いた時だった。




「…おはようございます」




背後から聞こえた声に、ビクッと肩を揺らす。




「…お、おはよ…」




ちら、っとうつむき加減で振り返ると、そこにはいつも通りの根暗バージョン玉森。

クシャクシャでボサボサな前髪に、ダサすぎる眼鏡。

やっぱりあれは夢だったんじゃ?、っていう思いが頭によぎり始めた時だった。





「…なんで帰っちゃったんすか?もう一回くらいヤりたかったのに」


「…っ、!?///」





私にしか聞こえないくらいの声が耳元で囁かれて。

慌てて耳元抑えながら身体ごと振り返る。





「…あ、おはようございます先輩」


「…」


「先輩?」


「…」





…なに、この子…、

小悪魔なの……!??





ーチーン…




エレベーターの扉が開いて、そのまま流れに乗って乗り込む。

私のすぐ隣にいる玉森くんは、背が高いから見上げなきゃ顔は見えないけど。

きっとこの間言ったように、根暗くんを演じてるんだと思う。



…でもなんで?

なんでわざわざ根暗を演じてるんだろう。





「先輩、降りないんですか?」


「…っえ、あ、降りますっ…!」




慌ててエレベーターを降りると、前で振り返ってた玉森くんが少しだけ笑ったように見えた。



.

過剰な反応→←一刻も早く



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (743 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2234人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

すなぎも - めっちゃ面白いです!!続きがとても気になります!更新待ってます! (2018年7月25日 21時) (レス) id: ef1e270871 (このIDを非表示/違反報告)
はじめ - 続きがとても気になります!更新待ってます! (2018年4月4日 14時) (レス) id: e3f41243e4 (このIDを非表示/違反報告)
kumi(プロフ) - 初めから一気読みしました!めっちゃ面白いですね!!ブラック玉ちゃんカッコイイ!!続きが気になりますっ!!! (2016年7月12日 2時) (レス) id: 8cddf2f951 (このIDを非表示/違反報告)
たまま - このお話のたまちゃんすごい好きです! 続きが気になってしょうがないです! 更新楽しみにしてます! (2016年2月18日 19時) (レス) id: 18ff77bab6 (このIDを非表示/違反報告)
はるる - 頑張って下さい! (2016年2月7日 22時) (レス) id: fb87ff9d5e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:K | 作成日時:2015年3月10日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。