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一刻も早く ページ14

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「なんでそんな顔してんすか?」




今だパンイチの彼とバッチリ目線が合い、思わず熱を持ちはじめる顔。




「ふふ。先輩って、会社ではあんなにシャキシャキしてんのに…ベッドの上では案外かわいいんすね」


「っな…!、」




なに言って……っ、///




「んはは、顔真っ赤」




そう言ってくしゃくしゃな笑顔を見せた彼の唇が、チュッ、と音を立ててまた一瞬触れた。




「…っか、帰る!!」




恥ずかしさと不甲斐なさでどうにかなりそうで、一刻も早くここから消え去りたくて。

玉森くんの手を払いのけて、急いで散らばった服を掻き集めた。




「…ひゅ〜。いい眺めっすね」


「あ…、」




慌ててベッドのシーツに包まって、玉森くんを睨みつける。




「…着替えたいんだけど」


「どうぞ?」


「…」




…いや。

どうぞ?じゃなくて。




「出てってくれない?」


「出てく?ここ僕の家ですけど」


「着替えたいのっ!!」


「今更ですか?さっき全部見たのに」


「〜〜〜っ…、///」




きょとんとした表情で私を見下ろす彼に、そばにあった枕を投げ付けた。




「…ったく、」




チッ、と舌打ちをした彼は、頭を掻きながら部屋を出ていき…

扉が閉まったのを見届けると、すぐに服を着て見なりを整えた。





ーガチャ…




…帰ろう。

今すぐに。




そう考えることしか出来なくて、部屋の扉に手を掛ける。

廊下をそろそろと歩き、リビングらしき部屋へ向かう。




…へぇ、意外と綺麗じゃない。




モノクロで統一された家具たちを見回しながら思う。




「いやいやいや…、」




なんて悠長に思ってる場合じゃない、って急ぎ足で玄関に向かうと、ザァーーー…、ってシャワーを流す音が聞こえてきて。




「…」




ごめんね玉森くん。

さようならっ…!!




ーガチャ




急いで靴を履き、どうか夢であってほしいと願いながら玄関を出た。




.

小悪魔→←終わった



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すなぎも - めっちゃ面白いです!!続きがとても気になります!更新待ってます! (2018年7月25日 21時) (レス) id: ef1e270871 (このIDを非表示/違反報告)
はじめ - 続きがとても気になります!更新待ってます! (2018年4月4日 14時) (レス) id: e3f41243e4 (このIDを非表示/違反報告)
kumi(プロフ) - 初めから一気読みしました!めっちゃ面白いですね!!ブラック玉ちゃんカッコイイ!!続きが気になりますっ!!! (2016年7月12日 2時) (レス) id: 8cddf2f951 (このIDを非表示/違反報告)
たまま - このお話のたまちゃんすごい好きです! 続きが気になってしょうがないです! 更新楽しみにしてます! (2016年2月18日 19時) (レス) id: 18ff77bab6 (このIDを非表示/違反報告)
はるる - 頑張って下さい! (2016年2月7日 22時) (レス) id: fb87ff9d5e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:K | 作成日時:2015年3月10日 21時

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