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終わった ページ13

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「んはは、本当に玉森くんですよ?」




ベッドに胡座かいて、見たこともない屈託無い笑顔を見せる玉森くん。


嘘だ…こんな笑顔…、




「…あ、違うか」




ん?って顔して目線を外す玉森くんが呟く。




「本当に、じゃなくて、本当の。…玉森くんですよ?」




そう言って再びかわいく笑った彼は、私を見つめた。





本当の?

ってことは、これが本性ってこと?




「こっちが僕の本性で、会社での僕は根暗を演じてるんです」




まるで私の心の声が聞こえてるかのように答えた彼は、スッと立ち上がってボクサーパンツを履きはじめたから。

すぐさま目線を逸らせて俯いた。





…聞かなきゃ、何があったのか。

昨夜何をしたのか。

ヤったのか、ヤってないのか。

ここ一番重要よね…

……あーもうっ、良い年こいて何やってんのよ私ぃぃぃーーーーーっ!!!!!

ばかばかばかっ!!!!!(泣)




「先輩?どうしました?」




頭を掻き毟る私を、パンイチの彼が覗き込むように見つめてる。




…綺麗な顔。

じゃなくて。




「…あの、私って…」


「はい?」


「…私って昨日、どうなったの…?」




お願い。

何もないって言って…!




すがるような目で玉森くんを見れば、きょとん顔の彼。




その顔はどっちなの…!?




「…先輩、覚えてないんですか?」




少しだけ悲しそうな表情を見せる彼に、罪悪感が広がって。




「…ごめんなさい、私…」




…そう言いかけた瞬間だった。




「はぁーぁ。覚えてないとか一番面倒いっすね」


「え?…あの、」


「昨日の先輩はかわいかったなぁ。店で潰れて、俺に甘えてきてさぁ」


「うそっ…!」


「藤ヶ谷先輩が送ってこうとしたの断って、俺にくっついてきてくれたんですよ?」


「知らない…覚えてない…」


「でも先輩、酔ってて住所も言えなくて。結局僕の家に連れてきたんですけど〜…」


「…」


「すっげぇ積極的だったし、服脱がされるし。結局僕が襲われたみたいな?(笑) まぁ気持ちよかったですけどね」


「…」





……終わった。

最悪最低、自分。

後輩襲ったなんて…

もう会社行けない……





泣きたいくらいの羞恥心に阻まれて、落胆してる私の目の前。

フッと現れた彼の指先が、私の顎をグイと持ち上げた。



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一刻も早く→←アリエナイ



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すなぎも - めっちゃ面白いです!!続きがとても気になります!更新待ってます! (2018年7月25日 21時) (レス) id: ef1e270871 (このIDを非表示/違反報告)
はじめ - 続きがとても気になります!更新待ってます! (2018年4月4日 14時) (レス) id: e3f41243e4 (このIDを非表示/違反報告)
kumi(プロフ) - 初めから一気読みしました!めっちゃ面白いですね!!ブラック玉ちゃんカッコイイ!!続きが気になりますっ!!! (2016年7月12日 2時) (レス) id: 8cddf2f951 (このIDを非表示/違反報告)
たまま - このお話のたまちゃんすごい好きです! 続きが気になってしょうがないです! 更新楽しみにしてます! (2016年2月18日 19時) (レス) id: 18ff77bab6 (このIDを非表示/違反報告)
はるる - 頑張って下さい! (2016年2月7日 22時) (レス) id: fb87ff9d5e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:K | 作成日時:2015年3月10日 21時

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