拐われたお嬢様3 ページ4
「…何がおかしい?」
ルキウスと名乗った青年が聞くと、メグは笑いをこらえながら言った。
「だ、だって!
ルキウスって、勇者様の名前よ?
こんな、野蛮な盗賊の名前だなんて!
もう、おかしくて笑っちゃうわ。」
そしてまた、お腹を抱えて笑い転げるメグを見て、ルキウスはふっと少し笑った。
「あ!今笑った!」
メグに顔を指さされ、ルキウスは一緒に笑いだした。
「な、なぜ笑っているの?
自分の名前を笑われたのに?」
笑いながら聞くメグを、ルキウスは抱きしめた。
「へっ?」
間抜けな声をあげたメグの耳元で、ルキウスは囁くように言った。
「俺は…おまえに救われて、ずっと生かされてきた。
おまえに、俺の記憶はないようだけど…俺はしっかり覚えているよ。
あの時、おまえが教えてくれたことを…」
メグはその声に寒気がして、バッとルキウスを拒んだ。
ルキウスは驚いてメグを見つめた。
「やめろ。私はもう、貴様を助けない。」
そう言ったメグの瞳は、赤く染まって血走っていた。
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ばん© - ありがとうございます!更新遅くてすみません… (2017年3月6日 18時) (レス) id: 811eeda3cd (このIDを非表示/違反報告)
つー - すごく面白かったです!! (2017年3月5日 21時) (レス) id: 145d47b14f (このIDを非表示/違反報告)
とまと?(プロフ) - これからも応援してます! (2017年2月23日 21時) (レス) id: 815ca9583d (このIDを非表示/違反報告)
ばん© - みなぎさん» ありがとうございます!!!! (2017年2月23日 21時) (レス) id: 811eeda3cd (このIDを非表示/違反報告)
ばん© - 篠川梨麻さん» 読者さま第1号ですよ!すごくうれしいです、ありがとうございます! (2017年2月23日 21時) (レス) id: 811eeda3cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月嶋あぐり | 作成日時:2017年2月22日 17時