ユンギさんの飼育方法２

その後… ページ44

…ん？


つーか…ここ何処だ？








目を開ければ見慣れない天井…


部屋を見渡せばどっかのホテルの一室で


酒くささが残るなか


食い散らかした残骸と


酔い潰れたメンバー何人かの…もはや死体に近い


見るも無惨な光景だな









海外での二年連続受賞


帰れば本格的なカムバが俺たちには待ち受けている









いいかげん…あいつに会いたい。









ふとそんなことを思い徐ろにスマホを手にし画面をタップすると


いろんな人からメッセージが届いていたことに気づく


そのなかにはもちろん、あいつからも…









『おめでとうございます』









ん？…それだけかよ、


一ヶ月近くも会っていないあいつからのメッセージはたった一行


しかも敬語ときた









「歳が離れてるのは分かるけどよ、付き合ってんだから」


『…で、でも…』


「俺がいいって言ってんだろ？」


何度も言い聞かせてるっつーのに


『誰が何処で聞いてるか分かりませんから』


と、いつまで経っても敬語が抜けない









あいつらしいと言えばそれまでだが

なんかつまんねー








会いたいときに会えねぇーし


電話だっていつも俺からで








…また、消えたら？








そんなことをついつい考えちまうと、しつこくもできねーし


だから、なるべくあいつのペースに合わせてきたつもり









たまの空いた時間に久しぶりに会うと、大人へと変貌していく過程を見て


へんに嫉妬して


俺なんかよりもっといい奴がいるかもしれないとしみったれた考えが浮かぶ








それでも会いたい。

会って、直接、あいつの声が聞きたい。







完全にA不足…だな(笑)









ホント…マジで会いたい。今は死ぬほど会いたい。会って、あいつに触れて、これでもかってくらいギューッと抱きしめたい。









そんで、できることなら…









一線を越えたい。









あいつにとっては何もかもが初めてで


付き合う意味も分からなかったあいつ…


俺なりに少しずつ教えてやったけど


何となくその先へはまだ進めなくて


でも、我慢も限界だ…









まっさらな身体に早く触れてみたい


俺仕様に染めてみたい









二度と俺から離れられぬように…。









「帰ったら会いたい。」









気付けばあいつにそうメッセージを送っていた…

その後…→←その後…

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す