ユンギさんの飼育方法２

その後… ページ43

あの人の為に人生を捧げようと誓った…


あの人が幸せになることが私の夢だった…


でも


「自分のことでないと夢にしたらダメだ」と


そうユンギさんは言った


だから


一度は逃げ出した道だけれど


私はしがみついた


ここにしか道はないっ


そう思ったから…









(なんなのあの子…)


(へぇー、戻ってきたんだ…)


(よくもまぁ平気な顔して…)








歓迎してくれる人は少なかった…


この業界は厳しい


それは痛いほど分かってる


離れていた分プレッシャーがのしかかるし


這い上がれば蹴落とされる


嫌な思いも毎日のようにしてる


でも、私は…私にはここしかないから









「んなの、言葉のはずみだろ？まともに受け止めんなよ」

「仲良くなる必要はないんだよ、もっと上手くやれ」

「…プレッシャーが人を強くする。逃げ出したくなるような感覚がなくなったらモチベーションもなくなるだろ？」









ユンギさんは過去の自分を重ね


私の相談にもひとつひとつ真剣に向き合ってくれる


…ユンギさんは強い


私は…


貴方みたいになりたいっ








ねぇ、ユンギさん…


どうして夢を叶えることと


幸せになることは別なの？









「…そうでもねぇーよ」








そう思うのは、まだ夢が叶ってねぇからだ…


ホントの夢は、その先にあんだろ…きっと


押さえきれない思いで


泣いたり、悩んだりするのは


生きてるって証なんだ…


何が正しくて、間違ってるかなんて


死んだときにしか分かんねぇーよ








「だから、お前はもっと夢を見ろ。もっと生きろ」








「…俺がそばにいるから、な？」








貴方はいつも教えてくれる


私はもう


一人じゃないと…


自分の為に生きてもいいんだと…









「だから、アレだ…次、オファーが来たときはテヒョナじゃなく、俺にしろ…」









…はい？









「…返事は？」


『……。』


「おいっ、返事…」


『……。』


「おい、どこに行くんだよ！話はまだ終わっちゃいねぇーんだ」


「次、テヒョナと雑誌に載ってみろ…そんときはお前のこと捨てっからな！」


『(ちいさ…)』


「聞いてんのかっ！？…おい、A！」


『はいはい、聞いてますよ…なんですか、嫉妬ですか…？』









「(嫉妬して何が悪ぃんだよ…お前は、俺のじゃんかっ…)」

その後…→←その後…

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す