ユンギさんの飼育方法２

TH side ページ24

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宿舎から出て行こうとするAちゃんをなんとか部屋に連れ戻して



ベッドに寝かせた…



俺は、足元にちょこんと座って



二人でたくさん、話をした…









俺が知らなかったことを








…俺はちっとも分かってなかった



Aちゃんがこんなにも傷ついてただなんて









…でも、おかしいよ



だって、Aちゃんはなにも悪くないじゃないか









酔っ払いの人が絡んできて



そこを運悪く、車が走ってきて









…ほら、どう考えたって…









けど、…Aちゃんは



自分が…って、自分が全て悪いんだ…って



それしか言わない









だから、ぎゅって抱きしめた








何度も違うよって言っても



首を横に振るばかりで



出会わなきゃよかったって



あのまま



自分がいた場所にいればよかったんだって



外の世界に出たばっかりに…って









…でも違うよ…？









だって、じゃなきゃ



俺たち、出会わなかったじゃないか



だから、そんなこと言わないで…？









…俺は、Aちゃんと出会えて初めて知ったんだ



好きって気持ちを



…俺は、Aちゃんに出会えて良かったって



好きになれて良かったって思うんだ…









たとえ、それが苦しくとも



他人を傷つけようとも









……、Aちゃんが言うように過去は変えられない。けど、未来さえ良ければ、その意味は変わる



あのとき、苦しんで良かったなって









…大丈夫、今は俺がいる



これからだって…









そう言うと…



『ありがとう』って小さく囁いて



そっと目を閉じるんだ…



だから、いつまでもいつまでも



ぐっすりと安心して寝られるように



もう一度抱きしめて



抱き合ったまま眠ることにした









こうしていると温かい



俺もすぐに夢のなかへと…おちていく



あれは夢だったのかな…？



夢と現実の狭間で



『…ごめんなさい』



そう聞こえた気がしたんだ…

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