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真剣な表情で私を見る三人を前に、私は"あの部屋"でのことを話し始めた。
A「真理の扉を見た後…目覚めたらまったく身に覚えのない部屋にいたんです…。その…部屋っていっても、なんていうか…薄暗くて…管みたいなものがいっぱいあって…あと…テーブルとイスがある…それだけの部屋でした…。」
あやふやな記憶を精一杯思い出しながらの私の説明を、三人は眉をひそめながら聞いていた。
エド「なんだそれ…気味わりぃな。」
A「それで………気づいたらすぐ近くに知らないおじさんがいて…」
そうだ…
私、なんでこんな大事なこと忘れてたんだろう…
A「その人………私のお父さんだって言っ…てた…。」
私の言葉に、三人は自身の耳を疑うかのように同時に驚きを示した。
アル「お、お父さん!?」
エド「おおおお前…ッ…父親いるじゃねぇか!!!つーか、お前、家族のすっげぇ手がかりあるじゃねぇかよ!!!つーか、なんでそんな大事なこと今まで言わなかったんだ!!!」
一気にまくしたてるエドに、その通りだと思い言い返す言葉もない私は目を伏せた。
A「ご、ごめん……ここに来てから色々話してるうちに話すの忘れてた…。で、でも…その時は、自分に記憶がないなんて分からなくて…変な人に誘拐されたんじゃ…って思って…その場から逃げちゃったの…。途中、振り返ったけど…その人は追いかけてこなくて…」
私がそう話している途中、マスタングさんの眉がピクッと動いた気がしたが、特に何かを言うわけでもなかったので、私はそのまま続けた。
A「それで、そのあと…今度は別の知らない男の人たちに追いかけられて…それで、逃げてる途中にグレイシアさんに会ったの…。」
マスタング「その別の男たちというのは、"父親"と名乗る男の仲間か?」
A「え、いや…たぶん、違うと思います…。その人たちは、私を売るって…話してて…それで、逃げました…。」
アル「売る!?君を!?なんて奴らだ!!人間をなんだと思ってるんだ!!」
私の話に怒りをあらわにしたアルに、私はまたしても彼の優しさを感じた。
エド「ああ、許せねぇな。胸糞悪いぜ。」
マスタング「…まあ、そいつらはおそらくただのチンピラだな。それよりも"父親"の存在のほうが気がかりだ。」
マスタングさんの言葉に、私は深く頷き同意を示した。
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るるるs - 鋼の錬金術師AFじゃなくてFAですよ。 (2022年7月27日 0時) (レス) id: 7f6b75982b (このIDを非表示/違反報告)
篠懸 菖蒲(プロフ) - ポケットの案内人さん» ポケットの案内人さん コメントありがとうございます!そう言っていただけて私もすごく嬉しいです(><)更新頑張りますのでよろしくお願いします! (2020年8月16日 8時) (レス) id: 21fdeed85c (このIDを非表示/違反報告)
ポケットの案内人(プロフ) - 私、ハガレン大好きなんですよ!夢小説書けないのに夢主勝手に想像したり、そしたらこの小説があったのでメッチャ嬉しいです!頑張ってください! (2020年8月15日 23時) (レス) id: 4ccf657d3b (このIDを非表示/違反報告)
篠懸 菖蒲(プロフ) - みーこさん» みーこさん ありがとうございます!そのように言っていただけて嬉しいです!更新頑張ります(><) (2020年6月23日 10時) (レス) id: 21fdeed85c (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - 面白かったです!更新頑張ってくださいね! (2020年6月23日 10時) (レス) id: 19c92306d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:菖蒲-アヤメ- | 作成日時:2020年6月12日 23時