陸拾弐 ページ12
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____数ヶ月後。
…寒い。そりゃそうか、雪が降ってる。身体が芯から震えるのを感じる。
でも戦いの後の火照った身体にはちょうどいいかな。今回は特別本気を出した訳でもないのに異様に身体が熱くなった。心拍数も上がりすぎな気がする。おかげで目の奥がくらくらするなぁ。
隠「A様、もうお帰りになられて大丈夫ですよ」
『…いいや、まだ避難した町人が何人か戻ってきていないだろう…私も待つよ』
隠「…いいえさっきの家族が最後です。
……貴方、熱があるんでしょう。
ぼーっとしてる。目の焦点が合っていません」
『…私、熱があるのかい?』
隠「……自覚してなかったんですか。
戦いぶりはいつも通り素晴らしかった。死人も一人も出ていません。体調の悪さなんて微塵も感じさせない動きでした。私も今の今まで気付けなかったわけですし」
『……あら、褒められてしまったね…』
隠「…話すのも辛そうですね。すぐに屋敷へお運びします」
大急ぎで隠に運んでもらった。
熱とか久しぶりすぎて感覚忘れてたな…
…うぅ……自覚したらきつくなってきた……
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_______
着くと、私の屋敷の部屋を貸している隊士達が慌てて駆け寄ってきた。
小芭内は居ないようだ。そういえば、今日は任務があるとか言ってたな……
担がれて部屋に運び込まれた。
女の子の隊士によって着替えさせられ、汗を拭いて貰う。
何から何まですんません…………
「上を脱いでいただけますか?(初めて顔見た…美しすぎる…)」
『あぁ、すまないね』
「いえ…いつもお世話になっているので、これくらいはさせてほしいです…具合はいかがですか…?」
『はは、情けない話だが、正直だいぶキツいな。
熱を出すなんて(この世界に来て)初めてだからね…』
「初めてがこんなに高熱なのは…身体に堪えるでしょう。最近寒い日が続いておりますから、お大事になさってください」
『あぁ、ありがとうね』
「いっ、いえ…!(微笑みが美しいッ…!!!!)
あ、この痣…?刺青…ですか?とても綺麗ですね…」
『ん?どこだい?』
え、痣とかあったっけ?
「ほら、ここの…紡錘型の、花弁のような……」
隊士ちゃんが指差したのは、鎖骨の辺り。
鏡を見れば、私の左側の顎下から胸元にかけて、花弁が散るように、痣が広がっていた。
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うさぎもち - 無一郎かわええ・・・ (8月5日 16時) (レス) @page47 id: 6ed501a3ba (このIDを非表示/違反報告)
冰輪(プロフ) - 無惨のママみがつおい……w (8月1日 0時) (レス) @page27 id: 3dfd0d46a5 (このIDを非表示/違反報告)
夜空(プロフ) - いつも楽しみにしてます最新頑張ってください応援しています (2021年5月21日 22時) (レス) id: 15c1247fea (このIDを非表示/違反報告)
りぽE - 錆兔好き…。 なんでこんなイケメンなん??錆兔と義勇さんに攻められたらやべぇな (2020年6月10日 16時) (レス) id: 15686f771a (このIDを非表示/違反報告)
桃綺薇(プロフ) - 鯖兎に惚れた…… (2020年4月20日 18時) (レス) id: 3e7a0f8c20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:M2 | 作成日時:2020年1月18日 22時