羊というよりヤギですね2

Lxxxv ページ46

『…もしもし、霜月君！？』


＿あ、ミナさん！？さっきの報道…！


『とりあえず、今から君ん家向かうから、とりあえず合流しよう…！』

＿わ、わかった。




時計は既に、12時を過ぎている。




あの後、食べていたパスタを一気に飲み込み慌ててレストランを出た私は、霜月君に電話した後バイクをとばしていた。



おかしいとは思っていた。

やけに露出しない情報、かと思えば今さっき、どの局も一斉に報道しだした。

まるで示し合わせたかのように、急に。






それにあの情報、新村君やリンタロウ君が生きてるのも驚きだが、指名手配犯ってどういうことだ？

リンタロウ君は、まだわかる。

でも、新村君は違うはずだ。彼は一応被害者にあたるはず。




………おかしい。明らかに、おかしい。









彼の家に向かう途中、自分の家が通り道としてあるので、もしものために持つもの持って出よう、と、家につながる道を曲がる。





『っ！？』






…が、慌ててブレーキを止めた。







「…ふむ、どうやらいないようですね。」

「仕方ない、情報を洗いだせ。霜月ユキナリとの目撃情報はあがっている。」





待て待てちょっと嘘でしょ、アパートの目の前に警察の大群いるんだけど…！？

うわ………うっわぁ、どうもガタイのいいおニーサン方が大勢いるこって。




慌てて来た道を引き返す。


自分の部屋は諦めるしかない。幸い、大事なものとかは常時してる。


まずいな…うちがこうってことは、霜月君だっておそらく同じ状況だ。





警察が来る前に迎えに行ければいいんだけど…………

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