羊というよりヤギですね2

Lviii ページ17

新村コウは、依然として子供の人形があるリビングで手がかりを探していた。


5年前。ユウヤ。


狼ゲームの真相に近づくために重要なキーワードが、彼の頭の中でぐるぐると回っている。




コウ「……。」



5年前の事件。



全く身に覚えがないかと言われれば、そうではない。

…が、しかし、これだ決めつけられるものもない。


結局のところ、うやむやなままである。






コウ「…うやむやといえば。」


本当にうやむやか、怪しい人物がいたのを思い出した。

知らないな、わからないな、なんて口上では言っていたが、あの胡散臭い笑顔がどうも引っかかる。



あの女。




北星ツヅミという、あの胡散臭い狂人。





いつも胡散臭い笑顔で誰かと話してるかと思えば、狼裁判の時は嘲笑を浮かべて狼を絶望させるあの女ほど、信用出来ない奴はいない。


煽ることしかない無能ならば多少扱いやすいんだろうが、それらの行動一つ一つが戦略的だから余計に厄介だ。


狼からすれば、消したいた相手であり、同時に相手にしたくない人物だろう。



＿なるほど。心底不快だよ。





…あぁでも、そんなアイツの仮面が外れる瞬間がある。


それは決まって、家族の話題を出した時だ。


アイツが家族と何があったのかは知らない。興味もない。

しかし、厄介な相手だからこそ、これを利用しない手はないだろう。



人数だって減ってきている。アイツが狼である可能性だって、あるのだから。





我ながら、黒い笑みを浮かべてるだろうことを自覚しながらいた、その刹那だった。









ガシャン！！…ドタドタッ！！！

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