羊というよりヤギですね2

Lvi ページ15

『なにかの書類と…服のようだね。』


中に入っていたものを広げてみる。


リツ「なになに？罰則って書かれてるじゃん。名前も書いてある。…………タケオ？
タケオって、あの警察官のタケオさん？」

『…その書類の内容、読んでもらってもいいかな。』

リツ「えーっと、

_職務怠慢により凶悪犯罪者を放置。罰則として1年の出勤停止を言い渡す。


だって！」



へぇ、職務怠慢か。張り切ってた割に、随分いい加減な男だったということか。
そんなのだから、狼にまんまと騙されるんだろうね。

そういう人と友人になろうとする奴の気が知れないね、全く。



コウ「日付的に5年前だな。」

リンタロウ「サトルさんの人形の近くにあった書類も5年前だったよね。」

『…それもいいけれど、こちらもなかなかに重要じゃないかな。』

服を持ち上げ、みんなに告げる。


ただの服ならなんてことは無いけれど、至る所に血痕がついていて、この服を着ていた人物が何科に巻き込まれたのであろうことは明らかだ。

デザインやサイズから判断するに、女物だろう。



『…これがその書類と一緒に入ってるということは、この服の女性を襲ったのはその凶悪犯罪者って人なのかもね。』

コウ「ふむ…なにかぼんやりだが、この狼ゲームの正体が見えてきたな。」

リンタロウ「つまり、その服を着ていた人が、タケオさんに復讐してるってこと？」




みんなが狼ゲームの真相について話す中、ふと子供の人形に視線をやった。

ころしたいと書く少女と、泣きうずくまる少年。

思えば、ここだけじゃない。シャワーのある部屋に置かれた子供のおもちゃやキッチンのレシピノート。…初めから、ヒントは自分たちの身近に置かれていた。



あとは、それに気づくか、どうか。






メリー「おや！無事箱が開きましたか！」

ミサキ「あ！メリーちゃん！丁度いいところに。
なぁ、この狼ゲームは、なにかの事件と関係してるの？」

メリー「それは…はい。」

コウ「ユウヤというのは、その事件の犯人なのか？」

メリー「それは…はい。」



それははいbotなのだろうか、この羊。

彼も仕事で疲れてるんだろうか。羊といえど、睡眠は必要だよ。



メリー「わ、私が言えるのはここまでです。」



そして例の如くいなくなるメリー。

あの羊、家畜ではなく社畜なんだろうな。

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