ニヒャクサンジュウイチ話 ページ36
「ごちそーさん」
反応する時間さえも与えられることなく、見事に中身が空になって帰ってきた小さな鍋のようなもの。
先程の手前、現れた時はやや気まずさを感じたけども今は関係ない。
「私のゾウスイ……! 私のゾウスイだったのに……!」
「あー……悪ィなお姉ちゃん。てっきり食べられないかと思ってな」
「それでもですー!!」
まぁまぁと宥めてくる第五次のランサーを睨む。
まだ三分の一しか食べていなかったというのに、酷い、酷すぎる。
どれだけ見ても見えるのは卵が溶かされたゾウスイも、スープも具材も、何もかもがない鍋底。
哀愁を漂う私の背中を、キッチンから出てきたであろうアサシンとセイバーが不思議そうに声を掛けてきて。
訳を聞いたアサシンが半分ほど分けてくれたので私の機嫌は少し回復したのだった。
やはりシロウ君の御飯は美味しく、空腹も相まって更に美味しく感じてしまうもの。
完食した私は、食後にと差し出された日本風のカップに入った暖かい日本茶を飲み、ほっと一息。
「で、一息吐いたところで悪いが、具体的にお嬢ちゃんを助けるにどうするんだ?」
爪楊枝を口に咥えて尋ねてくる第五次のランサーの言葉に、確かに具体的な話をしていないことを思い出してシロウ君を見て。
彼も私を見ていたので、頷いて口を開く。
「そうですね、第五次のランサーの仰る通り具体的な行動を決めなければなりませんね。何か、案はありますか?」
年長なので、サーヴァント三人を含めたらおそらく第五次のランサーが最年長になるのだけどそれは無視して、尋ねた。
「そうですね……。こちらとしては攻城戦になりますが本来とはかけ離れております。ですのでアーチャーの相手をする組と、凛を捜索及び救出する組の二組に分かれるのはどうでしょうか?」
「なら俺が、あいつの相手をする。喧嘩を売られたのは俺だ」
「では、士郎の剣として私は士郎と共に」
「じゃあオレは嬢ちゃんを探すほうかねい。お宅らは?」
どうする? と視線で訴えかけてくるアサシンにどうするかと悩む。
あくまで一度しか、しかも遠い記憶で一部の場所しか知らないけど、アインツベルンの城には入ったことがある。
城といわれるだけあって、かなり広かった記憶があり、リンちゃんを探すのなら数は多い方が良い。
それに、赤いアーチャーに気付かれずにリンちゃんを助け出すのならばアサシンの固有スキルである気配遮断が役に立つはず。
ラッキーアイテム
鳳凰の羽根
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
ラッキーサーヴァントクラス
シールダー
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翔べないペンギン(プロフ) - 亜流乃さん» コメントありがとうございます。そうなのです。ようやくお互いある種の再開ができましたので。どうにか完結できるように尽力しますのでお付き合いいただけますと幸いです。ジャンヌになるのも気に入っていただけて嬉しいです(照) (2021年3月26日 19時) (レス) id: 3d75302081 (このIDを非表示/違反報告)
亜流乃(プロフ) - やっとランサーと!!!!!!!!!こういうチュエーション待って ました!ここまで書いて下さりありがとうございます!これからも応援してます!あと、ジャンヌになる展開も好きです(笑) (2021年3月25日 21時) (レス) id: bff6baca0f (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - ありなさん» お待たせしてしまい申し訳ありません。先行きも少々不安ですが持続できるように努めます。コメントありがとうございます。 (2021年3月19日 18時) (レス) id: 3d75302081 (このIDを非表示/違反報告)
ありな - 続編おめでとうございます!凄く嬉しいです! (2021年3月18日 19時) (レス) id: 0b757b95a3 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - ロゼファさん» お待たせいたしまして申し訳ありません。持続できるように頑張りますね。コメントありがとうございます。 (2021年3月13日 16時) (レス) id: 3d75302081 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翔べないペンギン | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Information/
作成日時:2021年3月12日 1時