ニヒャクサンジュウ話 ページ35
鍋の中身は湯気が立ち込めるリゾット、のようなものであった。
ただリゾットにしてはスープも具も多くて、それは西洋と東洋の違いなのかもしれない。
「しばらく何も食べられてなさそうだったので食べやすくて滋養に良いものを作りました」
中華スプーンをいただきつつ、そう言われたので頷く。
いつも通りいただきますをしてから、掬ったものに熱を冷ますために息を吹きかけて一口。
「！ 美味しいッ」
リゾットのようにこってりとした味ではなく、あっさりとした味わい。
にんじんや白菜、きのこだと思われるもの、大根と溶き卵。
「よかった。おかわりも沢山ありますので必要ならばおっしゃってください」
にこりと笑ってキッチンへと戻っていくシロウ君の背中にお礼を言って、あつあつのゾウスイなるものを食していく。
黙々と食べていたのだけど、ふと視線に気付いて隣を見れば頬杖を付いて私を見るアサシンが。
「？ どうかしましたか？」
「いんや。美味そうに食べるなーって」
「食べますか？」
「いや、それはマスターが食べたらいいよ。俺は、そこで葛藤しているセイバーと一緒に坊主のところに行ってもらってくるからさ」
視線が私から外れて、少し右へ。
倣うように私もアサシンの視線の先を見れば、まるで獲物を狙う獅子の如く。
私が食べているリゾットを見ては
心無しか口元に光る何かが見えた気がしたけど、きっと気のせい。
気のせいだと、思いたい。
「な？」
おかしそうに笑うアサシンに同意してしまう。
そこまで食べたかったのならば先に言っていただければよかったのに。
と思ったけど大合唱するほど空腹を訴えかけていた私のお腹の手前、言い出せなかったのかもと考え直した。
アサシンに連れられてキッチンへ行くセイバーの二人を見送って、私も食べることに専念した。
「……」
少し先にはシロウ君やセイバー、アサシンが和気藹々とした様が伺える。
先程私が詰め寄らなければ第五次のランサーもあの中にいたのかなと思って少しばかりの後悔と、やはりバゼットさんに何かあったのではないかという思いが交差する。
ぼんやりとその様を見ていれば、手から中華レンゲが奪われて。
「！」
「食わねぇならもらうぜ？」
いつの間に霊体化を解いていたのか、隣に第五次のランサーが座っていて私のゾウスイなるものを食べているではないか。
ラッキーアイテム
鳳凰の羽根
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
ラッキーサーヴァントクラス
シールダー
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翔べないペンギン(プロフ) - 亜流乃さん» コメントありがとうございます。そうなのです。ようやくお互いある種の再開ができましたので。どうにか完結できるように尽力しますのでお付き合いいただけますと幸いです。ジャンヌになるのも気に入っていただけて嬉しいです(照) (2021年3月26日 19時) (
レス) id: 3d75302081 (このIDを非表示/違反報告)
亜流乃(プロフ) - やっとランサーと!!!!!!!!!こういうチュエーション待って ました！ここまで書いて下さりありがとうございます！これからも応援してます！あと、ジャンヌになる展開も好きです(笑) (2021年3月25日 21時) (レス) id: bff6baca0f (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - ありなさん» お待たせしてしまい申し訳ありません。先行きも少々不安ですが持続できるように努めます。コメントありがとうございます。 (2021年3月19日 18時) (レス) id: 3d75302081 (このIDを非表示/違反報告)
ありな - 続編おめでとうございます！凄く嬉しいです！ (2021年3月18日 19時) (レス) id: 0b757b95a3 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - ロゼファさん» お待たせいたしまして申し訳ありません。持続できるように頑張りますね。コメントありがとうございます。 (2021年3月13日 16時) (レス) id: 3d75302081 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翔べないペンギン | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Information/
作成日時：2021年3月12日 1時
