ニヒャクニジュウナナ話 ページ32
ランサーが付与してくれたものならば残しておきたいのは確か。
でも、呪いというものは対象者に第五次のランサーが言うように枷を与えてくる。
体調不良だったり、行動の制限だったり。
モノによっては聖杯戦争にも影響しかねない。
「私、は……」
感情的な部分を言えば、残しておきたいと叫ぶ。
理性的な部分を言えば、エルメロイのために取ってもらうべきと訴える。
右手で左手を握り締める。
意味などなく、ただの癖。
それでも少しは落ち着くことができるには確か。
「……御提案ありがとうございます、第五次のランサー。でも御心配には及びません」
「ほう?」
片眉を吊り上げる第五次のランサーを見据えて、言う。
「彼が、ランサーが、私を傷付けることなんて絶対にあり得ません。例え、今は呪いに変わりつつあるこの加護も、何か意味があるのかもしれません」
物事は全て意味がある。
その意味に気付くことは少ないかもしれないけど、それでも何か意味があるはず。
私はそう思う、そう思いたい。
それに、今はバゼットさんの御好意で第五次のランサーの助力をいただいているけど、最終的には第五次のランサーとは敵同士となってしまう。
ないとは思うけど、無理なことを要求されては困ってしまうから。
「だから、取らなくていいです」
そう締め括れば、圧し殺したかのような笑い声が聞こえる。
「能天気なお姉ちゃんと思っていたが、存外考えているんだな」
「ありがとう、ございます?」
「おう、どーいたしまして」
だが、と彼は続ける。
「それはあんたが思っている以上に厄介なものになる。それでもいいのか?」
「はい」
「意志が固ェな。まぁいい。ちょっとこっちこい」
手招きをされた。
よくわからないままそろそろと第五次のランサーの側へと近寄れば、手を伸ばしてきて。
「!」
突然目の前に薄く光る、何かの文字の羅列が現れた。
その文字は独特な形をした文字で、ふわふわと浮んで光るそれは私の周囲を漂う。
どういう意味を持つのかわからないけど第五次のランサーが中指で私の額を軽くこつりと小突くと、浮かぶ文字が私の方にきてくっついてきた。
「?」
「荒療治だが、これで抑えられるはずだ」
離れていく第五次のランサーの腕を見送りつつ、小突かれた部分を軽く右手で抑える。
自動で結界魔術が展開しない辺り、私に害を与えてくるものではなかったようだけど。
ラッキーアイテム
鳳凰の羽根
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
ラッキーサーヴァントクラス
シールダー
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翔べないペンギン(プロフ) - 亜流乃さん» コメントありがとうございます。そうなのです。ようやくお互いある種の再開ができましたので。どうにか完結できるように尽力しますのでお付き合いいただけますと幸いです。ジャンヌになるのも気に入っていただけて嬉しいです(照) (2021年3月26日 19時) (レス) id: 3d75302081 (このIDを非表示/違反報告)
亜流乃(プロフ) - やっとランサーと!!!!!!!!!こういうチュエーション待って ました!ここまで書いて下さりありがとうございます!これからも応援してます!あと、ジャンヌになる展開も好きです(笑) (2021年3月25日 21時) (レス) id: bff6baca0f (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - ありなさん» お待たせしてしまい申し訳ありません。先行きも少々不安ですが持続できるように努めます。コメントありがとうございます。 (2021年3月19日 18時) (レス) id: 3d75302081 (このIDを非表示/違反報告)
ありな - 続編おめでとうございます!凄く嬉しいです! (2021年3月18日 19時) (レス) id: 0b757b95a3 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - ロゼファさん» お待たせいたしまして申し訳ありません。持続できるように頑張りますね。コメントありがとうございます。 (2021年3月13日 16時) (レス) id: 3d75302081 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翔べないペンギン | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Information/
作成日時:2021年3月12日 1時