ニヒャクニジュウ話 ページ25
もちろん彼が望んで裏切ったとは思っていない。
でも、グラニア姫からの半強制的な
兄も結果的な裏切り行為を気にして、ランサーを信用していなかった。
記録的な物事からしては真実を言っていたとしても彼は、本当は裏切りたくなかったことを私は視っている。
いったい私はどうするべきがいいのか、わからない。
彼に会いたいと叫ぶ感情的な私と、現状が不明だからアサシンの言う通りにすべきと訴える理性的な私がいる。
私を優先するのなら、感情を。
家を優先するのなら、理性を。
「もし、まだ戻れと言うのなら無理矢理にでも、手足の骨を折ってでも、アンタを行かせるつもりはない」
「……」
黙り込んでしまった私をアサシンは走りながらも諭すように、更に続ける。
「A、頼むから戻るとは言うな。あんたに怪我を負わせたくない」
「わかり、ました……」
理性を取った。
了承の言葉を言った私に安堵の息を吐いたアサシンは足に力を入れて全力で逃げ始める。
流れゆく景色を尻目ぼんやりと見ながらアサシンの腕の中で、考えた。
冷たい風が顔を突き刺すように当たるお陰で、少しだけ冷静に考えることができたのは幸いだ。
あくまで私はエルメロイ派の代表として、時計塔の中でエルメロイの地位を取り戻すために聖杯戦争に参加している。
だから、感情的になってはいけない。
なってはいけない。
例えそれが私個人にとってとても大切だと思える感情だとしても、家の沽券を背負っているのだから常に冷静で物事を判断しなければならない。
「……お願いですアサシン、早く振り切って」
どうか私の決意が鈍る前に、逃げ切って欲しい。
「わかった」
速度が上がったのか、冬の空気が突き刺すかのように肌へ当たりかなり痛い。
痛みを耐えるために自身で自身を抱き締めて、耐えた。
──違う。
戻って彼に会いたいと叫ぶ感情を抑えるために、最後の令呪を使ってでもアサシンに戻るように命令するという馬鹿な行動をしないために。
自分で自分の動きを制限した。
奥歯を噛んで必死に耐える。
だから早く逃げて、私が自己中心的な行動をする前に、どうか、どうか。
ーーA様ッ！
風の音に混じって聴こえてくる私を呼ぶ声に、私は私の意思で聞こえない振りをする。
声は、聞こえていた。
ラッキーアイテム
鳳凰の羽根
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
ラッキーサーヴァントクラス
シールダー
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翔べないペンギン(プロフ) - 亜流乃さん» コメントありがとうございます。そうなのです。ようやくお互いある種の再開ができましたので。どうにか完結できるように尽力しますのでお付き合いいただけますと幸いです。ジャンヌになるのも気に入っていただけて嬉しいです(照) (2021年3月26日 19時) (
レス) id: 3d75302081 (このIDを非表示/違反報告)
亜流乃(プロフ) - やっとランサーと!!!!!!!!!こういうチュエーション待って ました！ここまで書いて下さりありがとうございます！これからも応援してます！あと、ジャンヌになる展開も好きです(笑) (2021年3月25日 21時) (レス) id: bff6baca0f (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - ありなさん» お待たせしてしまい申し訳ありません。先行きも少々不安ですが持続できるように努めます。コメントありがとうございます。 (2021年3月19日 18時) (レス) id: 3d75302081 (このIDを非表示/違反報告)
ありな - 続編おめでとうございます！凄く嬉しいです！ (2021年3月18日 19時) (レス) id: 0b757b95a3 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - ロゼファさん» お待たせいたしまして申し訳ありません。持続できるように頑張りますね。コメントありがとうございます。 (2021年3月13日 16時) (レス) id: 3d75302081 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翔べないペンギン | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Information/
作成日時：2021年3月12日 1時
