【名探偵コナン】トリップしたら終わってた2【降谷零】

64．嵐のあとの信頼関係3 ページ29

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元々、ただのコナン好きなアクション女優だ。



私がいた場所じゃ、ここは漫画の中の話。



主人公は江戸川コナン。



本名は工藤新一、幼馴染で同級生の(以下略)。



降谷さんはバーボンとして登場して



今じゃスピンオフ漫画が出るほどの人気だ。



ミストレや緋色シリーズは超重要回だし



東都水族館やカジノタワーでの出来事は映画級。



灰原哀のことだけじゃない。



黒の組織、公安、FBI、CIA......どれも漫画で見守ってた。



そんな世界に、死んだと思ったら転生していて。



意識がハッキリとした時には、私はもう公安の人間で。



だけど...私の知る全ては片付いた後だった。



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「......信じるかどうかは任せますけど」



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捲し立てるように全てを話せば、こんなにも呆気ない。



予想通り、目の前の男はぽかんと口を開けている。



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「でも......私が降谷さんを信じてるように...降谷さんも私のこと、信じてくれてると思ったのに...」



「...A、」



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こんな方法じゃなくたって、この男になら言えるのに。



降谷零なら受け止めてくれると信じているのに。



それをあんな風に暴こうとするなんて思ってなかった。



裏切られたっていう感覚とは違う。



舞い上がってた自分が、ただ情けない。



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「いくら私が降谷さんを好きだからって、こんな手段って酷すぎです！！！」



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「.........は？」



「.........え？」



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なんだ、この反応。



まるで......今、初めて知ったけど、みたいな。



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「......お前は...俺が、好きなのか...？」



「知ってたんじゃ...ないんですか...」



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最大のミスはこっちだったか。



肝心なところは鈍感とかどこの漫画の主人公だよ。



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「その、なんだ...............信じるよ」



「え、それは、どっちの意味で！？」



「どっちも。にわかには信じ難いが」



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そう言って頬を掻く仕草が所在なさげで



さっきまでとは違った緊張感に、やっぱり病室が静まる。



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「降谷さん、お目覚めのところ申し訳ないのですが...！」



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だから、そう沈黙を破ってくれた風見さんに



心から感謝したのは言うまでもなかった。



降谷さんからしたら、目覚めて早々に



スーツを纏うことになってしまうわけなんだけど。



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