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62.嵐のあとの信頼関係 ページ27









「心配しなくても、直に起きるわ」







冷静さを欠かない落ち着いたトーンの声。



振り返った先、ドアの前に立っていたのは



綺麗なウェーブに...赤みがかった茶髪のボブ。



宮野志保が言っているのは



丸イスに座る私の前でスカイブルーを閉じたままの上司。















あの後、降谷さんと山田さんはそのまま搬送された。



流した血の量やあの爆発を考えれば



当然、二人とも重症と呼んでいい状態で。



それでもギリギリまで指示を飛ばし続けた降谷さんと



現場の風見さん達によって組織の残党は狩り尽くされ



一命を取り留めたと聞いた時にはぶっちゃけ泣いた。



だから...こうして哀ちゃんも気にかけてくれていて



今は本当に寝不足を解消しているだけだと言われても



そのスカイブルーを目にするまでは、安心しきれなかった。







「だけど意外ね...部下よりも先に目を覚ますとばかり、」



「え、山田さん、目を覚ましたんですか!?」



「ここにはそれを伝えに来たのよ...肝心の彼はまだ、夢の中みたいだけど?」



「よかっ、た...!!」







誰一人、犠牲にならなかった事実がうれしくて。



いつもの鋭い視線がウソみたいな、あどけない寝顔に。



後は降谷さんだけですよって呟いて。



脱力するようにベッドに突っ伏したら。







「、え............降谷さん!?」







伏せた拍子に触れた降谷さんの左手が、ぴくりと動いた。



ガバッと起き上がれば、長い睫毛が僅かに震えている。



ゆっくりと......澄んだ青が、覗く。



















「............る、さい...ぞ...」







開口一番、言われたのはそんな言葉だった。



これで黙ってろって方が無茶だ。



まぁ...何が言いたいかと言うと。



浮かれていたのだ。盛大に。















「哀ちゃん...、降谷さんが......っ!!!」















目に涙を溜めたまま振り返った私が見たのは



彼女にしては珍しく動揺を隠さない表情。



それから、逃さないとばかりに握られた左の手首。



私の手首を握った上司に視線を戻せば



その瞳はもう、鋭い光を宿していて。



そして...それが向けられているのが自分だと認識して初めて



自分が、最大のミスを冒したことに気がついた。















「その顔は......自分がマズいことを口走ったと自覚があるようだな?」



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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 安室透   
作品ジャンル:恋愛
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未桜 - 本当大好きですこれドタイプです……。テーマ一本釣りされて参りました。ストーリーも自然だし、キャラクターの魅力がとても引き出されていました! トリップした事に現実味のある主人公へかなり感情移入してしまいました。本当に素敵な作品をありがとうございました! (2021年12月22日 0時) (レス) @page36 id: 22cb640d25 (このIDを非表示/違反報告)
キャラメル(プロフ) - 最っ高です!!!大好きな作品の1つになりました!これからも頑張ってくださいね(^^♪応援してます! (2020年6月8日 15時) (レス) id: b8ac5a9a04 (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - 最高… (2019年12月14日 17時) (レス) id: f6fdf86c66 (このIDを非表示/違反報告)
神と名乗る凡人 - 最高ですね!これで読むの2回目のなるんですが何回読んでも感動します。上から出申し訳ないんですが、書き方も本当にプロで出せるような文章ですごく引き込まれました。これからも頑張ってください!応援してます。ありがとうございました!! (2019年8月31日 2時) (レス) id: 5e8845cf1b (このIDを非表示/違反報告)
華蓮(プロフ) - 感動しました!!降谷零という人物が更に好きになりました!!話を読んでいて、表現の仕方?がすごく好きです、読んでいて面白かったし、キュンキュンしました!!これからも頑張って下さい!! (2019年4月30日 1時) (レス) id: 28b0b44997 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ももこ | 作成日時:2019年3月8日 16時

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