50.過去を繋ぐ雨音2 ページ15
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日付が回ったのを確認したら
降谷さんがまたパソコンに向き直るから
私も仮眠室に行くことにした。
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「......あ」
「どうした」
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私の声に顔を上げた降谷さんが、私と同じ窓の外を見る。
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「本当だ.........雪になってる」
「予報より早いな」
「......メリークリスマス」
「...何を今さら」
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羽毛のように軽やかな雪が舞って
積りはしないだろうけど、次から次へと地面に降りていく。
思わず、駆け寄って窓を開けた。
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「寒い」
「ええー......そうですか...?」
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冷たくて気持ちいいのに、と呟いて
窓におでこをくっつけるようにしたら
本当に...ひんやりとした感触が心地よかった。
そのまま窓から片手を出した私の手首を
降谷さんがガシッと掴む。
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「いつからだ?」
「...何のことで、」
「とぼけるな。何だこの熱さは」
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しまった。抜かった。降谷さんおこだよ。
降谷さんは午後からの登庁だったし
何ならシャワーから上がるまで今日は会ってなかったから
後は仮眠室にさえ逃げ込めばバレないと踏んでいた。
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「.........食欲はありますし、喉の痛みもありません、少し寝れば.........っ、!?」
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ふわりと重力に逆らう身体に驚く。
理由は明白、降谷さんが私を抱え上げたからだ。
降ろせと喚いても力も入らなければそもそも勝てるわけもなく
あっという間に仮眠室に放り込まれる。
ベッドに降ろされれば、気が抜けたのかくらりと視界が揺れた。
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「ったく、お前はバカなのか...」
「う...、すみません」
「...いや、すまない。八つ当たりだな」
「......え、...?」
「お前の体調に気が付けなかった自分に苛立っただけだ」
「そんな...私が黙ってただけなんで......そもそも自業自得、」
「ああ...わかったから、もう寝ろ」
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体力を使い果たして微動だにしない私に
降谷さんが毛布をかけてくれたら
そのままワイシャツに手がかけられて
ボタンが一つ、外される。
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「っ、降...!」
「一つ外すだけだ、騒ぐな」
「............これも...ウワサになったらどうする気なんですか」
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未桜 - 本当大好きですこれドタイプです……。テーマ一本釣りされて参りました。ストーリーも自然だし、キャラクターの魅力がとても引き出されていました! トリップした事に現実味のある主人公へかなり感情移入してしまいました。本当に素敵な作品をありがとうございました! (2021年12月22日 0時) (レス) @page36 id: 22cb640d25 (このIDを非表示/違反報告)
キャラメル(プロフ) - 最っ高です!!!大好きな作品の1つになりました!これからも頑張ってくださいね(^^♪応援してます! (2020年6月8日 15時) (レス) id: b8ac5a9a04 (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - 最高… (2019年12月14日 17時) (レス) id: f6fdf86c66 (このIDを非表示/違反報告)
神と名乗る凡人 - 最高ですね!これで読むの2回目のなるんですが何回読んでも感動します。上から出申し訳ないんですが、書き方も本当にプロで出せるような文章ですごく引き込まれました。これからも頑張ってください!応援してます。ありがとうございました!! (2019年8月31日 2時) (レス) id: 5e8845cf1b (このIDを非表示/違反報告)
華蓮(プロフ) - 感動しました!!降谷零という人物が更に好きになりました!!話を読んでいて、表現の仕方?がすごく好きです、読んでいて面白かったし、キュンキュンしました!!これからも頑張って下さい!! (2019年4月30日 1時) (レス) id: 28b0b44997 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ももこ | 作成日時:2019年3月8日 16時