十四話 (名前)side ページ17
そんな生活が変わったのは、私が下弦を殺してしまってからだった。
下弦の後釜が、私について話してしまったのだ。
そして私はお館様に呼び出され、渋々柱になった。
そこには、無一郎がいた。
会えた嬉しさと覚えられていない悲しさとあのとき駆けつけられなかった悔しさで胸がぐちゃぐちゃになっていたら、無一郎はいった。
「誰だっけ。
その言葉にどれだけ救われ、どれだけ歓喜したのかわからない。
無一郎が私のことを覚えていた。その事実がほんの少しずつ壊れかけていた私の精神をもとに戻した
私を生に執着させるには十分だった。
「顔色悪いね。大丈夫なの?
その言葉が私をまともな睡眠へ促した。
「ちゃんと食べてる?いくらなんでも細すぎない?
その言葉が私を一日三食の食事へと促した。
口調を違和感があるから直してと言われたとき、どれだけ嬉しかったか。
できるだけそばにいたいから外国から来たちゃくらむという新しい武器を使い始めた。
どれだけきつい言葉でも無一郎の言葉の節々からは隠しきれない優しさがこぼれ出ていた。
人なんてどうでも良かったはずなのに、興味を持つようになった。
他の柱だって元々どうでも良かったけど、無一郎のおかげで仲良くなった。
どんなときも無一郎が私の行動の中心にいた。
頭だって、無一郎に推薦されたからなったんだよ。
__
本当は鬼殺隊になんて入ってほしくなかった。
何も知ってほしくなかった。
幸せに暮らしているのなら、絶対そんなところに鬼なんて行かせなかった。
でも、それが無一郎の意思なら、私は止めない。
だから、あなたを守らせて。そう思ってたのに…
「A、ごめんね。忘れてて
もう絶対、忘れたりなんてしないよ。
感情の高ぶりを抑えきれない。目頭が熱くなる。
ああ、涙だ。感情を伴ったのは2回め。
無一郎に忘れられたとわかって、自分を偽ろうと決めたとき。
深い悲しみと絶望とともに気づかぬまま泣いていたのを思い出す。
でも、この涙も初めて。
嬉し泣き、というものは。
ああ、体が熱くなる。さっさとこの鬼を殺そう。面も邪魔だ。
「A、その模様は…
いつの間にか、私の額には不思議な痣ができていた。
・
Aの痣は、古代中国のお化粧、花鈿をでっかくした感じです。
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みぃちゃん - 初めて見ました。頑張ってください!! (2022年1月22日 10時) (レス) @page22 id: 07d077227f (このIDを非表示/違反報告)
天羽ステラ(プロフ) - コメントありがとうございます!これからも頑張ります! (2021年10月13日 19時) (レス) id: f35bb53857 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 初めまして!とっても素敵ですね!高評価しました! (2021年10月6日 19時) (レス) @page1 id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天羽ステラ | 作成日時:2021年10月3日 18時