ゆうがた ページ12
丘に寝転がって雑談したり、駆け回って追いかけっこをしたり。二人で遊んでいるうちに、太陽はどんどん西の方へ。
ここは公園でもないので時計はなく、腕時計やスマホなんかも持ってないので正確な時間を確認する手段はないが、もうすぐ日も暮れるだろう。
「ねぇ、そろそろ帰ろう」
呼びかけると、寧人はゴロゴロと芝生の上を転がるのを止め、顔を上げる。
「えー、もっとあそぼ！」
「暗くなっちゃうよ」
もっと遊びたいと唇を尖らせる寧人。
うう……なぜ小学校低学年の男児とはこうもかわいいのだろうか。いや、女の子もかわいいけれど、女の子のかわいいはもっと長い間続く。男の子のかわいいは長くて中学校入学くらいでは……？
「……じゃあヒミコは？ ヒミコは帰りたいの？」
寧人はぺたんと座りこんで、こちらを見上げた。
「……家、誰もいないし、帰っても帰らなくてもいいけど。寧人はお母さん心配するんじゃない？」
「おうち誰もいないの？」
……選択肢、マズったか？
座りこんだままの寧人が、心配そうに表情を変えて顔を近づけてきた。
いや、ちょっと近すぎないか？
「え、あ、まあ……いない、ね」
どもりつつ答える。ああマズった、これは聞かれるパターンじゃないか？ 「なんでいないの？」って。
「なんでいないの？ おしごと？」
はーい。
予想にプラス一されて返ってきた。
「お仕事じゃないよ。二人で遠いところにお出かけしてるんだ」
「……そっか」
沈黙が流れる。
いや、我ながら、なかなかよい答え方ができたと思ったが。
会話が続かないから、最善手ではなかったのだろうか。
「じゃあぼくのおうちおいでよ！」
沈黙を破って聞こえたのは寧人の明るい声。
驚いた。
今日会ったばかりの男の子に「家おいでよ」と言われてホイとついていくような軽い奴ではない。はず。だが。
キラキラと輝く純粋な目で見つめられてしまっては、断ることができない。少なくとも、私には。頷くしかなかった。
まあ、中学どころか小学校の高学年にもなっていない幼い少年だし……と自身を正当化しつつ、口を開く。
「でも、お母さんは……」
「ママはだいじょうぶ！ たぶん、ゆるしてくれる」
ママ、と呼び方も相まって、アニメや漫画で見ていた物間寧人じゃなく、幼き日の物間寧人を見ているんだと、ことさら実感する。
……あれ、今「たぶん」って言ったよね。
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カナ - トガちゃんの成り代わりは私得ですね。笑更新頑張ってください。 (2019年1月29日 23時) (
レス) id: 270e06f60b (このIDを非表示/違反報告)
ふらわぁ@無理ゲーはパス。 - ツインテトガちゃん可愛い (2019年1月14日 14時) (レス) id: e44d61dba0 (このIDを非表示/違反報告)
ののいろ系女子 - 成り代わり！しかもトガちゃん！もう大好きが勢揃いで嬉しいです！更新大変だと思いますが頑張って下さい！ (2018年12月29日 1時) (レス) id: 8fb3eabd58 (このIDを非表示/違反報告)
ハムぴょん - ああ面白いぃぃ！！！とがちゃん好きだから嬉しい！更新頑張ってください！！！！！ (2018年12月17日 21時) (レス) id: e2495abf65 (このIDを非表示/違反報告)
愛と正義 - めちゃ面白いです！！ (2018年11月26日 22時) (レス) id: 270e06f60b (このIDを非表示/違反報告)
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