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SIDE__Yabu
体力がある程度回復するまでは、月の国の王宮に保護はして貰ったものの、やはり別れは来るもので。
じゃあね、ばいばい。
そう言う前に、高木はこう言った。
『記憶を消そう。』
と。
俺達が会ったってこと。能力があるってこと。全部忘れてしまおう。
俺達は、この研究さえ無ければ関わることなんて無かったんだから。
きっと、俺達はこのことを覚えてても、この先ずっと辛いだけだよ。
高木は、涙ながらにそう言った。
それを聞いて、俺も光も頷いた。
2人を覚えていられないのは辛いけど、それ以上に、実験の記憶を持っていることが辛かった。
だから、高木の“相手の記憶を消す”能力に頼った。
……でも、俺だけは駄目だった。
きっと、高木も光も記憶が消えて、今頃幸せに暮らしてるんだろう。
俺は、国境で1人、そう考えていた。
国が用意してくれた小さな家に、全ての記憶を持ったままの俺は住んでいた。
どうして、全て覚えているのか。
その問の答えであろうものは、案外簡単に見つかった。
俺が、所謂“最高傑作”だったせいだろう。
あまりにも能力を持ちすぎた俺に、高木の能力は無効だった。
ただそれだけ。
だから、2人のことも、能力のことも、実験のことも、結局全部覚えてた。
眠っても悪夢に魘されるし、頭痛が酷いときもあるし、2人のことも気になるし、能力がある自分が嫌いでならないし。
なにもかも抱えて、国境で1人、耐えようとすることしかできない。
何かも守ることで存在意義を見い出していた俺は、この孤独に耐えられなかった。
だから、招待状を出したんだ。
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柑橘類。(プロフ) - 茶巳さん» 読んでくださりありがとうございます…！更新サボってすいませんでした…(土下座)読み返してあげてください…でもミスはそっとしといてあげてください…← (2020年7月21日 0時) (
レス) id: 9e47427641 (このIDを非表示/違反報告)
茶巳(プロフ) - 初めまして！毎日更新してないかなーって見にくるぐらいこの作品が好きでした。まさか最後に記憶をなくすとは、、、とても読み応えがあり面白かったです！素敵な作品をありがとうございました！何度も読み返そうと思います(^○^) (2020年7月20日 23時) (レス) id: 560570cdba (このIDを非表示/違反報告)
柑橘類。(プロフ) - rengeさん» 読んでくださりありがとうございます！皆幸せになれるように頑張ったつもり…です！← (2020年7月20日 20時) (レス) id: 9e47427641 (このIDを非表示/違反報告)
renge(プロフ) - 予想外の展開に驚きました。話の構成がすごいですね！みんな幸せになってほしい。素敵なお話をありがとうございます！ (2020年7月20日 19時) (レス) id: 8b7957125a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柑橘類。 | 作成日時：2020年5月22日 18時
