#Erinnerungen ページ29
SIDE__Yabu
研究員に鏡を見せられたあの時に勝る絶望は、この先もきっと無いだろう。
そう思えてしまうほど、この黄緑の瞳が憎くて、醜くてしょうがない。
絶望に打ちひしがれて、光にも高木にも、強く当たってしまった。
それでも、ちゃんと自分の役目を思い出せた。
だから、俺はまた皆の代わりに研究を受けた。
最初に付いたのは、“相手の秘めた過去の記憶を見る”能力。
次は、“相手の心を見透かす”能力で。
完全では無かったけど、“相手の心を開かせる”能力も付いたはず。
ついでに、どこの国でも使えるようにか、頬にあった月も無くなった。
他の人の……光と、高木の分まで代わりに実験されまくって、俺はもう人間じゃなかった。
神の子でも何でもない。ただの化け物。
それでも研究員は、俺のことを“最高傑作”と呼んだ。
そして、光と高木は“失敗作”だと蔑まれた。
何が最高傑作だ。何が失敗作だ。
こんなの、人間がする事じゃない。
ここには、人間なんて誰1人居ない。
この施設に居るのは、人の皮を被った悪魔と、哀れな化け物だけ。
それでもちゃんと、哀れな化け物は救われた。
月の国が、この施設の取締に動いた。
その事実が分かり、研究員は俺だけを連れて逃げようとした。
だが、それは叶わなかった。
生き残った2人を、最後まで守りきらないといけないから。
抵抗しかしない俺を連れて行くのは無理だと判断し、研究員は俺を置いて行方を眩ませた。
そして、俺達3人は一時的に国に保護されることに。
瞳の色で差別を受け、生活に困ってはいけないから。
頬に月の証が残る光は、月の国の王宮で。
頬に太陽の証が残る高木は、太陽の国の王宮で。
それぞれ、務めることになった。
…帰る場所も、帰れる場所も無い俺は、たった1人で国境に住み着くことにした。
その住み着いた場所が、今の“Gelblich grün”になった。
·
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 161人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
柑橘類。(プロフ) - 茶巳さん» 読んでくださりありがとうございます…！更新サボってすいませんでした…(土下座)読み返してあげてください…でもミスはそっとしといてあげてください…← (2020年7月21日 0時) (
レス) id: 9e47427641 (このIDを非表示/違反報告)
茶巳(プロフ) - 初めまして！毎日更新してないかなーって見にくるぐらいこの作品が好きでした。まさか最後に記憶をなくすとは、、、とても読み応えがあり面白かったです！素敵な作品をありがとうございました！何度も読み返そうと思います(^○^) (2020年7月20日 23時) (レス) id: 560570cdba (このIDを非表示/違反報告)
柑橘類。(プロフ) - rengeさん» 読んでくださりありがとうございます！皆幸せになれるように頑張ったつもり…です！← (2020年7月20日 20時) (レス) id: 9e47427641 (このIDを非表示/違反報告)
renge(プロフ) - 予想外の展開に驚きました。話の構成がすごいですね！みんな幸せになってほしい。素敵なお話をありがとうございます！ (2020年7月20日 19時) (レス) id: 8b7957125a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：柑橘類。 | 作成日時：2020年5月22日 18時
