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夜 ジェシーside




Aさん、ご飯いる?



そう送ってから1時間。いつもなら5分くらいで返信が来るのに来ないのは、食べにいってる証拠。



前に、舘さんのところで、酔い潰れたことがあるから、心配で。あ、舘さんとこは昼はカフェで夜はバーなの。



多分、北斗か慎太郎だと思い、10時前にいるであろう焼き鳥屋に行った。



案の定、Aさんはいて。
別に彼女でもないんだけど、彼女の後ろ姿だけで頬が緩くなる。



探したよと声をかける。
ほんとに、返信してよね。心配じゃん。



北斗とは、本社で何度か会って、顔見知り。



まだ飲む?と聞くと帰ると返してきたので、驚いた。
だって、Aさん、お酒大好きでしょ?



でも、お開きにしようとしてたみたいで、悩み事あるんじゃないかななんて考えはとっくに消えた。



北斗に帰れ帰れと催促され、2人での帰り道。



手は繋がず、Aさんの歩幅に合わせて歩く。



これは、カップルに見えるのかなんて思ったりもして。他人から見ると、俺らの関係は、なんなんだろ。



『ジェシーくん、明日の朝は砂糖多めのコーヒーがいいな。』



いつもはそっけないし、クールだけど、時々こうして甘くなる時がある。



「了解。Aさん、後ちゃんと連絡してね?ほんとに心配なんだから。」



『うん、ごめんね?』



「わかってくれたならオールオッケイ!」



俺の言葉にクスクス笑ってくれるAさん。



なんでこんなかわいい人を手放してしまったのかな。

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作者名:エリンギ | 作成日時:2020年7月28日 17時

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