優しすぎるあなたは。 (ページ17)

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松村宅

「なんだこれは。」

『宮舘さんにもらった。』

「俺の、きれいな、部屋がっ、」

居候してそろそろ一ヶ月。

今の仕事を辞めるまであと一週間。

「お前出て行く気ある？」

『部屋はね決めたよ、』

目を見開いて、「やっと1人だ…」と嬉しそう。

「荷物、どーすんの、」

『ジェシーくん、在宅勤務だから宮舘さんにご飯誘ってもらってその時に取りに行くつもり。』

「会わねぇの。」

『うん。会わない。』

「ま、なんでもいいけどさ。」

後悔すんなよ、風呂いってくると北斗はお風呂に向かった。

ジェシーくん、元気かな。

一昨日、スマホを解約して連絡先も今は家族と田中くんと北斗、宮舘さんだけ。

解約する前に届いてたメッセージももう届くことはないんだ。

ねっ、見て！美味そうじゃない！？

一緒に住み始めた頃に始めた料理は決して美味しそうな見た目はしてなかったけど、

少し塩辛いチャーハンを食べるのが楽しかった。

あっつ！

不器用なりにアイロンをかけてくれたり、

んでね！舘さんってばそん時に！

身近にあった楽しかったことをたくさん共有してくれたり。

Aさんいたらやる気出る！

と仕事が大好きな彼が。

好きだった。

優吾くんのことを考えなくていい時間ばかりで。

人の温かさを知った。

抱いていたぬいぐるみをより一層抱きしめた。

「顔面潰れてっけど。」

いつのまにかお風呂を上がった北斗に声をかけられる。

『ペンギンはそれが本望なの。』

「何、病んでんの。」

『失礼な、』

自分もお風呂をお借りして、上がるとほれ。とビールを渡された。

「荷物、俺手伝おうか？車出すよ、」

『ほんと？お願いしようかな、、』

「じゃあ、今週はAの晩御飯三昧だな。」

『冷凍パスタと冷凍お好み焼きと、』

「せめて作れる？」

うん。全て置いていこう。

過去の出来事も気持ちも人とのつながりも。