君の背中 【赤羽業】

中間テストの時間 ページ29

｢さて始めましょうか！！！！｣

5人(?)に分裂した殺せんせーが教科名のついたハチマキをつけて気合を入れている

そう、中間テストの始まりだ

｢皆さん一人一人の苦手な科目にマンツーマンで徹底して復習します｣



そう言うと私の前には｢数｣と書いてあるハチマキをつけた殺せんせーが現れた


｢Aさんは数学が苦手でしたね まずは今回の範囲の内容をどれほど理解しているか確認しましょう！｣



今まで数学ができなくて授業に置いてかれるばかりだったのにこんなにも親切にしてくれる



授業終了後
ぜーはーぜーはーと過呼吸をなだめるようにする先生
その姿を見て、今まで私に一生懸命教えようとした先生がいただろうかと気になった



｢どうしてこんなに手厚く教えてくれるんですか？｣


すると先生はにっこりと笑う

殺｢全ては君たちのテストの点数をあげるためです そうすれば…｣


私｢そうすれば…？｣


殺｢先生への尊敬の眼差しや近所の巨乳女子大生にチヤホヤされる！！！｣



…まさかそんな理由だとは
私が呆れていると他のみんなは口々に

｢俺たちは勉強はそれなりでいいよ｣

｢うちらには暗殺があるし！｣

と言っていた



すると殺せんせーは少し怒ったような顔で
生徒全員をグラウンドに集合させた

一体何をするんだろう…
私はよくわからないままみんなについて行った




実はE組のシステムには一応の救済がある
定期テストで187人中ご50位以内に入ればE組から脱却することが出来るという救済
でもこの学校環境じゃ到底50位以内は不可能


だから救済されることのないままえぐい差別を受けることもある



殺せんせーはサッカーゴールを片付け始めた
やはり何をするのかわからない



いつも私達の想像を凌駕する殺せんせー
怒りの空気を伴っている先生は何をしてくるのか予測がつかない



｢イリーナ先生、あなたはいつも仕事をする時プランはひとつですか？｣



この質問になんの意味があるのだろうか


｢…いいえ、本命のプランなんて思った通り行く事の方が少ないわ 不測の事態に備えて予備のプランをより綿密に作っておくのが基本よ｣


｢では次に烏間先生｣


今度は…烏間先生？

｢ナイフ術を生徒に教える際に重要なのは第一撃ですか？｣


｢……第一撃も重要だが、次の動きも大切だ 強敵相手では第一撃は高確率でかわされる その後の第二、第三撃がいかに高精度かが勝敗をわける ｣



ますます先生が私たちを集合させた理由がわからなくなる

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