君の背中 【赤羽業】

毒の時間 ページ17

キーンコーンカーンコーン…

３年Ｅ組に始業ノベルが今日も鳴り響く
1時間目は確か…理科だったはず
理科は若干苦手だからなぁ



｢あのっ！｣




女の子の振り絞ったような声が聞こえた

あの子は…奥田さんだ
私の前の席の子で理科がすごく得意ってイメージ
だから凄いなぁっていつも思ってる
でもどうしたんだろう…突然先生の前へ行くなんて




｢毒です！！飲んでください！！！！｣




｢｢！？！！？！？｣｣


クラス全員がひっくり返りそうな勢いで驚いた
そんな渡し方ある！？
これには殺せんせーもたじろいでいる


｢…奥田さん これはまた正直な暗殺ですねぇ｣



殺せんせーは若干呆れたような…複雑な表情になる


｢あっ、あの私みんなみたいに不意打ちとか上手くできなくて…でも真心込めて作ったんです！｣



どっ…毒に真心なんてあるの？？
これまた不思議な子だなぁとみていた



｢Aも不意打ちとか出来なさそうだから奥田さんみたいに直球勝負したら？｣



カルマがからかうように私に言ってきた



｢そもそも化学とか苦手私に毒とか作れると思う？｣



そうこうしているうちに先生はいただきますと言って奥田さん特製の毒を飲みはじめた
果たして殺せんせーに毒が効くのか…
数秒後…



｢う゛っっっ…｣




と先生は呻き声を上げた
これは効いてるのでは…！？！みんながそう期待をした次の瞬間



先生に、にゅんっと角が生えていた


なんか…えっ！？ツノ！？


殺｢これは二酸化ナトリウムですね、人間が飲めば有毒ですが先生は効きません｣


まだ2本あるんですねと平然と先生は毒を飲みだした

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