君の背中 【赤羽業】

~カルマside~ ページ14

こりゃダメだ
死なないし殺せない 少なくとも先生としては


俺はそのまま崖の上へ登り、渚くんとAの所へ行った


俺はAを見つけてぎょっとした



泣いてる…なんで…？



泣いてるAを支えながら渚くんが話しかけてきた

｢…カルマくん平然と無茶したね｣


｢別に…今のが考えてた限りだと1番殺せると思ってたけど、しばらくは大人しくして計画の練り直しかな｣


｢Aさん カルマくんが飛び降りた時必死でカルマ君の事呼んでたよ｣

｢渚くん…言わなくていい…｣

涙声でAが渚くんに反抗する


知ってる
俺を必死に呼ぶ声が走馬灯の中に入ってきたくらい
他人のためにこんなにも泣いて心配するAが可愛くみえてくる


きっと錯覚だ…


｢おやぁ？もうネタ切れですか？｣


殺せんせーの挑発するような声が聞こえた

｢報復用の手入れ道具はまだ沢山ありますよ？君も案外ちょろいですねぇ｣


…イラッとするけど今回は完敗だ
殺意が湧いてくるけど、今までとは違う


｢殺すよ、明日にでも｣


俺はなんだか清々しい気分になれた


｢帰ろーぜ、渚くん 泣き虫なA？｣


俺は先生の財布を盗みながら2人に声をかけた


｢泣き虫って言うな！！もう泣いてないし…！｣


｢それは私の！！お財布！！！｣


対象的な2つの声が夕方の空に響いた

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