"愛す" をコンビニで買う 2 (ページ40)

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彼氏の存在ページ40

_貴方side

数原さんが急に倒れて、体に触れてみれば熱くて。

『すっごい熱...』

私よりも体の大きな数原さんをソファへ何とか運んで、声をかける。

『数原さん！！数原さん！！』

すると、薄く目を開けた彼。

帰るという彼の手を、本能的に掴んでしまった。

だめだ、そう分かってはいても、数原さんが笑う姿が頭から消えなくて

待っていてください。

そう告げた。

ｺﾝｺﾝｺﾝ

『全員終わったので、帰らせていただきますね！

数原さん、このまま用事があるので帰るとのことでしたけど、大丈夫でしたか？』

そう問えば、玲於くんが

「今からはGENEとしての仕事ないし大丈夫だよ」

と言ってくれた。

そんな玲於くんに罪悪感を抱きながらも、失礼しますと部屋を出た。

タクシーまでの道。

数原さんの熱が私にまでつたわってきたんじゃないかと言うほど、

体が熱くなってドキドキした。

.

龍友の家 ((;Ryuto's house

「おってくれへんか、」

それが彼の言葉だった。

『え...』

「ごめん、玲於おるもんな、ありがとう。送れやんくてほんとごめんな」

そういう彼に私は玲於くんという彼氏の存在を忘れて

『ここにいます。なにかあったら言ってください』

そう言ってしまった。

.

あれから、氷枕や冷えピタを数原さんの元へ持って行って、

おかゆを作った。

『これでいいかな...』

寝室に入れば、少し苦しそうな顔で眠る数原さん。

今日はセットしていない彼のサラサラの髪の毛に触れた。

『すっごく、好きなのにな...』

気づけばそんなことを零していた。

私は玲於くんだけ...。

そう心の中で何度も唱えて、数原さんを起こした。

『数原さん、おかゆ作ったんですけど食べれますか？』

すっと起きた彼は目を開くなり、

「え、Aちゃん作ってくれたん？」

といった。

少し弱っている彼にいつもとのギャップを感じて、心臓が大きく動いた。

『はい、お口に合うか分からないんですけど、』

「Aちゃんが作ってくれたものならなんでも食べる」

そういう数原さんは本当にずるい。

勘違いしちゃうだけなのに。

スプーンに手を伸ばす数原さんの手を取って、

『熱の時くらい、お手伝いさせてください』

そう告げれば、熱のせいか顔を赤くして頷いた。