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「……では、私もそろそろ」
……言ってみただけだ。そんなに睨まないでくれ。
「ころん様の可愛いお顔が台無しです」
……言ってみただけだ。そんなに近付かないでくれ。
「Aの可愛い顔もぐちゃぐちゃにしてあげようか?」
「て、丁重にお断りさせていただきます……」
近付いてきた彼を避けるようにあとずさる。
さて、これからどうしたものか。
考えていると、
「____僕さ、Aのことが好き。だから選んでほしいし、僕の気持ちに応えてほしいって思ってるの」
急にそんなことを言われ、呆然としてしまう。
それでも彼は続けた。
「るぅとくんなんかよりも僕のほうがAを幸せにできると思うよ。カラダの相性もいいし」
「なっ、嘘つかないでください」
前半はまだいいとして、後半はなんなんだ。
いけしゃあしゃあと
「嘘だと思うんなら試してみる?カラダから始まる恋っていうのも悪くないと思うんだよね」
「さっきからなにを言っているんですか」
本当にこの人のアホさ加減には気が滅入る。
……いや、これに限っては確信犯なのか。
「まぁいいや、A、そろそろご飯食べよ」
彼はそう言って どこからか袋を持ってきた。
「じゃーん。買ってきたんだ、おいしいよ」
ご丁寧に効果音付きで差し出されたそれは、なんとも魅惑的な匂いをまとっていた。
「これは……」
「これはね、ハンバーガーとポテトなんだけど……こういうの食べるの初めてでしょ」
ころん様の言う通り、私は買ってきたものはほとんど食べたことがない。
ましてやこんなにジャンキーなものだと尚更だ。
「ほら、食べよ」
器用に包み紙を剥く彼の真似をして、私も包み紙を剥いていく。
ぱくっと頬張ると、独特な味が口に広がる。
「ん、おいしいです……!」
……その後は、夢中でハンバーガーやポテトを頬張り、ふたりともお腹が破裂しそう、なんて喚いていた。
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虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 菜々志さん» 菜々志さん ありがとうございます嬉しいです;; (2022年2月19日 11時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)
菜々志(プロフ) - 高評価をもっと押させてくれぇぇぇ!!!ww (2022年2月19日 8時) (レス) @page7 id: ec6dd9f0aa (このIDを非表示/違反報告)
虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 泡沫さん» 泡沫さん コメントありがとうございます! そう言っていただけて本当に作者冥利に尽きます……(T T) 体調にも気を配りながらこれからも更新頑張ります! (2022年1月15日 15時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)
泡沫(プロフ) - こんなに面白いと思った作品は初めてです…!体調にお気を付けて、そして更新も無理せず頑張ってください! (2022年1月15日 12時) (レス) @page50 id: 7687e77697 (このIDを非表示/違反報告)
虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 泡糖さん» コメントありがとうございます!わたし的に小説を書いていていちばん嬉しいお言葉、本当にありがとうございます…(泣 ) 最近寒いですもんね、体調に気をつけながら更新頑張ります!泡糖さんも体調を崩されませんようにお過ごしください✨ (2021年12月30日 8時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:虹の根元付近に生息しているアイ | 作成日時:2021年11月24日 21時