検索窓
今日:18 hit、昨日:4 hit、合計:64,402 hit

・43 ページ45

「ころん様……?」



走ってくる水色の頭の男は、その特徴的な声も含め 完全にころん様だった。



「もう、まじで遅すぎ。A行くよ」


ガシッと手を掴まれ、問答無用で歩き出す。



「……なにされても知りませんからね」



一方、王子様は ころん様のほうに関心が向いたから拗ねてしまったのか  俯いてなにかブツブツ言っている。


そのまま「あとで戻ります」と街の中へ消えていった。



「……でさ、なにしてたわけ?遅かったんだけど」



急にそんなことを言われ 困惑する。


なにしてたもなにも デートですが。




というようなことを言おうと思ったが、私が口を開くより先に彼が話し始めた。



「僕見ちゃったんよね。さっきさ、るぅとくんになにか言われてたでしょ。顔まで赤くしちゃってさ」



ぎくっ!と効果音がつきそうなほど 反応してしまう。


そこまで見られていたなんて……




「いえ、特には」




若干震え声でそう弁明すると、「まぁいいや」と歩き始めた。



「めんどくさいよね。早く僕を選んじゃえばいいのに」



彼はひとりごとのようにそう呟き、私の方をちらっと見やる。



「……私は、誰も選ぶつもりは____」


ありません、と言おうとするとギロっと睨まれた。



「……早く行こ」



先程よりも強い力で腕を引っ張られ お城へと歩く。




ころん様は感情表現が下手なのか 時たま少し強引な行動に出ることがあるのだ。



私も人のことは言えないが、彼はお城の中で一二を争うくらい不器用だと思う。





そんな彼も可愛いなと思ったり思わなかったり……



「……なにしてんの、早く行くよ」


「あっ、すみません……」



ちょっぴりご機嫌ななめなのか 私が少しぼーっとしていると ムスッとして更に早歩き。


……あ、少し怖いかも。

・44→←・42



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (99 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
155人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 菜々志さん» 菜々志さん ありがとうございます嬉しいです;; (2022年2月19日 11時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)
菜々志(プロフ) - 高評価をもっと押させてくれぇぇぇ!!!ww (2022年2月19日 8時) (レス) @page7 id: ec6dd9f0aa (このIDを非表示/違反報告)
虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 泡沫さん» 泡沫さん コメントありがとうございます! そう言っていただけて本当に作者冥利に尽きます……(T T) 体調にも気を配りながらこれからも更新頑張ります! (2022年1月15日 15時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)
泡沫(プロフ) - こんなに面白いと思った作品は初めてです…!体調にお気を付けて、そして更新も無理せず頑張ってください! (2022年1月15日 12時) (レス) @page50 id: 7687e77697 (このIDを非表示/違反報告)
虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 泡糖さん» コメントありがとうございます!わたし的に小説を書いていていちばん嬉しいお言葉、本当にありがとうございます…(泣 ) 最近寒いですもんね、体調に気をつけながら更新頑張ります!泡糖さんも体調を崩されませんようにお過ごしください✨ (2021年12月30日 8時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:虹の根元付近に生息しているアイ | 作成日時:2021年11月24日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。