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「ころん様……?」
走ってくる水色の頭の男は、その特徴的な声も含め 完全にころん様だった。
「もう、まじで遅すぎ。A行くよ」
ガシッと手を掴まれ、問答無用で歩き出す。
「……なにされても知りませんからね」
一方、王子様は ころん様のほうに関心が向いたから拗ねてしまったのか 俯いてなにかブツブツ言っている。
そのまま「あとで戻ります」と街の中へ消えていった。
「……でさ、なにしてたわけ?遅かったんだけど」
急にそんなことを言われ 困惑する。
なにしてたもなにも デートですが。
というようなことを言おうと思ったが、私が口を開くより先に彼が話し始めた。
「僕見ちゃったんよね。さっきさ、るぅとくんになにか言われてたでしょ。顔まで赤くしちゃってさ」
ぎくっ!と効果音がつきそうなほど 反応してしまう。
そこまで見られていたなんて……
「いえ、特には」
若干震え声でそう弁明すると、「まぁいいや」と歩き始めた。
「めんどくさいよね。早く僕を選んじゃえばいいのに」
彼はひとりごとのようにそう呟き、私の方をちらっと見やる。
「……私は、誰も選ぶつもりは____」
ありません、と言おうとするとギロっと睨まれた。
「……早く行こ」
先程よりも強い力で腕を引っ張られ お城へと歩く。
ころん様は感情表現が下手なのか 時たま少し強引な行動に出ることがあるのだ。
私も人のことは言えないが、彼はお城の中で一二を争うくらい不器用だと思う。
そんな彼も可愛いなと思ったり思わなかったり……
「……なにしてんの、早く行くよ」
「あっ、すみません……」
ちょっぴりご機嫌ななめなのか 私が少しぼーっとしていると ムスッとして更に早歩き。
……あ、少し怖いかも。
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虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 菜々志さん» 菜々志さん ありがとうございます嬉しいです;; (2022年2月19日 11時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)
菜々志(プロフ) - 高評価をもっと押させてくれぇぇぇ!!!ww (2022年2月19日 8時) (レス) @page7 id: ec6dd9f0aa (このIDを非表示/違反報告)
虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 泡沫さん» 泡沫さん コメントありがとうございます! そう言っていただけて本当に作者冥利に尽きます……(T T) 体調にも気を配りながらこれからも更新頑張ります! (2022年1月15日 15時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)
泡沫(プロフ) - こんなに面白いと思った作品は初めてです…!体調にお気を付けて、そして更新も無理せず頑張ってください! (2022年1月15日 12時) (レス) @page50 id: 7687e77697 (このIDを非表示/違反報告)
虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 泡糖さん» コメントありがとうございます!わたし的に小説を書いていていちばん嬉しいお言葉、本当にありがとうございます…(泣 ) 最近寒いですもんね、体調に気をつけながら更新頑張ります!泡糖さんも体調を崩されませんようにお過ごしください✨ (2021年12月30日 8時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:虹の根元付近に生息しているアイ | 作成日時:2021年11月24日 21時