検索窓
今日:4 hit、昨日:53 hit、合計:64,441 hit

・42 ページ44

「____帰りましょうか」


「そうですね」



はい、と手を差し出す王子様。


それに応えるように左手を絡ませる。



王子様の手は温かいから好き。


声にそぐわなくゴツゴツしているけれど、触っていて気持ちいい。




「____指輪、外さないでくださいね」



「そうですね、ですが家事などもあるので……」



洗い物や料理だと、指輪は邪魔になることが多い。


それゆえずっとつけているなんて不可能なのだが。



「……特に今夜」


「はい?」



王子様は ぼそっとなにか呟いたが、声が小さすぎてよく聞こえなかった。


聞き返したが答えてくれず、静かにふたりで歩いている。




「とにかく、今日中は外さないでくださいね。なにがあってもですよ?」



「さすがにそれは……」



反論しようとしたが 圧のある笑顔で睨まれたため断念した。



なぜそんなに忠告されるのか分からないが、逆らうと面倒なことになりそうなので黙っておく。



「____もう夕陽が」



そう言われ 王子様の向いている方を見ると確かに夕陽が。


一日ってこんなに早かったっけ、と思わせるくらい街は楽しかった。



しばらく歩くと、徐々にお城が見えてきた。


外から見るとこんなにも大きいんだ、と驚いてしまう。




……すると、王子様が立ち止まった。


「____ころちゃんに渡したくない。朝まで一緒にいたい……」



ぎゅ、と私の服の袖を掴み、そう訴える。


そして 私の耳元で 囁いた。



「……ね?ここの近くにホテルがあるんです。ふたりで泊まっちゃいましょ?」


「ぁ、だめです、ころん様と約束しましたし」



夜、ころん様と過ごすのを条件に 面倒事なく外に出してくれた。


それを裏切るのはさすがにできない。



「ころちゃんより 僕の方が____」



王子様がなにか言いかけたとき、少し遠くから声が。



「____あ!いた!」

・43→←・41



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (99 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
155人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 菜々志さん» 菜々志さん ありがとうございます嬉しいです;; (2022年2月19日 11時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)
菜々志(プロフ) - 高評価をもっと押させてくれぇぇぇ!!!ww (2022年2月19日 8時) (レス) @page7 id: ec6dd9f0aa (このIDを非表示/違反報告)
虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 泡沫さん» 泡沫さん コメントありがとうございます! そう言っていただけて本当に作者冥利に尽きます……(T T) 体調にも気を配りながらこれからも更新頑張ります! (2022年1月15日 15時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)
泡沫(プロフ) - こんなに面白いと思った作品は初めてです…!体調にお気を付けて、そして更新も無理せず頑張ってください! (2022年1月15日 12時) (レス) @page50 id: 7687e77697 (このIDを非表示/違反報告)
虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 泡糖さん» コメントありがとうございます!わたし的に小説を書いていていちばん嬉しいお言葉、本当にありがとうございます…(泣 ) 最近寒いですもんね、体調に気をつけながら更新頑張ります!泡糖さんも体調を崩されませんようにお過ごしください✨ (2021年12月30日 8時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:虹の根元付近に生息しているアイ | 作成日時:2021年11月24日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。