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「____え」
晩御飯が出来たので食堂に入ると 六人の目線が一気に私の方に向いた。
普段、王子様や側近はご飯が出来てから部屋に呼びに行き 食堂に集まっていたのに。
「申し訳ありません、すぐに運びますね」
「ん、ゆっくりで大丈夫だよ」
焦った私にそう声をかけてくれたのはななもり様だった。
聖母。神様仏様ななもり様。
心の中でそう感謝しながら料理を運ぶ。
今日の晩御飯は お寿司だ。
私が板前になって握った。
今年は大漁だそうで 新鮮な魚がどっさり届いたから 消費するためにお寿司なだけであって 決して 王子様の好物だからとかそういう理由ではない。
あとは魚のあら汁とサラダだ。今日は私も疲れたのでこのくらいで勘弁してもらおうと思う。
「お寿司?!お寿司ですか……!」
大きな机に置かれたお寿司を見て王子様は 一際目を輝かせていた。
「ふんふん、結婚して毎日お寿司でも悪くないですね」
いつの間にか王子様のお皿にはお寿司が大量に取り分けられており、大皿のお寿司が減っていた。
「おい、俺たちの分がなくなるからやめろ」
「そうだそうだー」
さとみ様ところん様が野次を飛ばす。
ななもり様は「ちょっと?そんなに食い意地張らないの」と王子様を牽制し、莉犬様とジェル様は「うま」と呟きながらお寿司を頬張っていた。
____こんな日がずっと続けばいいのに。
「そういえば」
一通りお寿司を食べたのか、王子様が口を開いた。
「今日の20時、忘れないでくださいね?」
釘を刺すようにそう言われ、渋々頷いたのだった。
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虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 菜々志さん» 菜々志さん ありがとうございます嬉しいです;; (2022年2月19日 11時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)
菜々志(プロフ) - 高評価をもっと押させてくれぇぇぇ!!!ww (2022年2月19日 8時) (レス) @page7 id: ec6dd9f0aa (このIDを非表示/違反報告)
虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 泡沫さん» 泡沫さん コメントありがとうございます! そう言っていただけて本当に作者冥利に尽きます……(T T) 体調にも気を配りながらこれからも更新頑張ります! (2022年1月15日 15時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)
泡沫(プロフ) - こんなに面白いと思った作品は初めてです…!体調にお気を付けて、そして更新も無理せず頑張ってください! (2022年1月15日 12時) (レス) @page50 id: 7687e77697 (このIDを非表示/違反報告)
虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 泡糖さん» コメントありがとうございます!わたし的に小説を書いていていちばん嬉しいお言葉、本当にありがとうございます…(泣 ) 最近寒いですもんね、体調に気をつけながら更新頑張ります!泡糖さんも体調を崩されませんようにお過ごしください✨ (2021年12月30日 8時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:虹の根元付近に生息しているアイ | 作成日時:2021年11月24日 21時