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「分からない。」



そう言った彼はどこか寂しそうな顔をした





『そう、ですか・・・ごめんなさい。』




無責任なことを言ってしまった自分に反省する




すると


彼がいい案を思いついたようにこちらを見る




「じゃあ、君がつけてよ



・・・僕の名前。」




『えっと、』



「駄目・・・?」





本当に狼なのかと疑うくらい


子犬のような眼差しで私を見てくる


そんな目で言われ断れるはずもなく・・・





『わ、分かりました・・・・・・・・・。』



「やった・・・あ、僕に似合う名前ね?」





何かな何かなと、ワクワクしている彼は


まるで子供のよう





『んー、なんだろう・・・・・・』




彼の方を見ると目が合う





きっと彼は・・・穏やかな雰囲気があり


大きい壁があっても真っ直ぐ進んでいき


なんでもこなしそうな


彼の瞳を見てそう思った






『・・・・・・テヒョン。』



「ん?」



『貴方の名前は・・・テヒョン。』




そう言えばパァっと明るくなる顔




「いいね、テヒョン・・・。」





気に入ったのか、名前呼び繰り返している


良かった、とほっと一息する





「君、君の名前は?」



彼がこちらに振り向き私に問いかける





『私の名前はAです、

好きなように呼んでください。』




そう言えば




「A。」





『・・・・・・へ。』



「いひひ、好きなように呼んだ。」





その時、


胸が締め付けられるような感覚がした



.

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作者名:hyu-ra | 作成日時:2020年9月21日 10時

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