息を飲む ページ37
皆が驚いて目を見開き､前のめりになる｡
それもそのはず､上位3名が翠月の進路を越されるギリギリで締めたのだ｡
トップの生徒は翠月の真ん前を､2位は翠月の横を､3位の…3位だった選手は翠月の後ろについたのだ｡
そんな事したら足を引っ掛けてコケるか止まって後ろに危害を加えるかのどちらにせよ恥ずかしい結果になる2択しかないようなもの｡
この3人はついさっきかそれより前か…いつからか手を組んでいたようで「はっ」と言ってニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべていた｡
その笑顔が似合うのは若やわアホーー!!!!と弥が叫び掛けていたのは言わずもがな｡
皆が息を飲む｡
どう足掻いてもダメだ､と……
然し忘れてはならない｡持ち前の能力で弥とのフラグ()も意図も簡単に粉砕していくのが｡
『＿＿＿＿甘いねんアホ』
この､翠月だという事を｡
2位と1位の男子生徒の片方の肩に手を乗せてトトンッと軽く押してバク転のように2人の妨害を乗り越える｡
翠月の長い足が地から離れて宙に浮き､長身の翠月が身軽に2人を乗り越えて前方へ飛んでいくのはあまりに人を惹き付けた｡
揺れる長い髪が重量と風に従っていつも前髪に隠れている目隠しが顕になるのも靡く髪も｡
皆が息を飲む｡
あの煩い弥でさえも息を飲んでいる｡明日はきっと雪か激辛お菓子が降ってくる｡←
『お先です』
そう3人に向けて軽く手を上げてそう言うと何事も無かったかのように彼らを置いて1人圧倒的な差をまたつけて走り去る｡
煽ったなぁ?!好きだよ!!!!と叫びたいが我慢(震)
起きた事が信じられなくて呆然とする3人は後ろの生徒に追い抜かれそうになり我に返ると走り出した｡
同じく呆然としていた観客は誰かが「は､」と息を着くと張り詰めた糸が切れたように今回で1番の大きな歓声を上げ､グラウンドはそれに包まれる｡
誰も翠月に追い付ける訳なんて天地がひっくり返っても有り得ないので結局翠月がまた堂々1位でゴールインし､幕引いた｡
甘い､と言った時の翠月の口角が僅かに上がっていたような､いないような｡
それは歓声に飲まれて消えた｡
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トカ - 時の流れ？なんやそれ、どういうこt、、、あーーーーーーー← (2月6日 17時) (
レス) @page50 id: e74bb02192 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - あ、、、、、成程、ね、、、本当に時の流れって残酷だよね、、、 (8月20日 14時) (レス) @page50 id: 0336b46ae5 (このIDを非表示/違反報告)
June(プロフ) - 蝶々さん» ありがとうございます〜！！ここまででも長いのにこんなところまで読んでくれてありがとうございます😭 (2022年2月11日 21時) (レス) id: e44cb7722c (このIDを非表示/違反報告)
蝶々 - 超絶面白いです！この作品すごい好きです！ (2022年2月11日 21時) (レス) @page22 id: 11b1ad38fd (このIDを非表示/違反報告)
June(プロフ) - (｀・ω・´)さん» 分かって頂けましたか？！良かったです。。。 (2021年12月23日 13時) (レス) @page50 id: e44cb7722c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：June | 作成日時：2021年11月4日 21時
