―106 ゲスのくそド変態野郎 ページ6
各フィールドに異動する前
Aが沢田側ほぼ全員に心配そうな顔をされたのは妥当の話
クロームがわざわざ「頑張って」と言いに来たのもわかる
彼女には私の事より、自分の事を気にしてほしいものだけれど
「体の方はいいみてぇだなぁ、トガセ」
それでもやっぱりこいつとふたりになるのはなんとも耐え難い、とAは距離を持った位置から声をかけ続けるシルヴァに無視を決め込んでいた。
「回復力も問題無しかぁ」
チェルベッロに言いつけられているから、開始まで動くことは無いだろうが
それでもにやにやと厭らしく笑いながらAを熱く、気味の悪い目で舐めまわすように見る
「なぁ、まだお前のファーストネーム教えてもらってねぇぞ?」
無表情でフルシカト食らわせているのにこの態度だ。
Aは内蔵を直接撫で回されているかのような不快感をギリギリ、顔の下に隠していた。
ゲスのくそド変態野郎
「ったく、強情なやつだなぁ。そこもいいんだが、程々にしてくれよ?」
ジャラリと重々しい音がして、この場での初めてのアクションにさすがに体勢を変え、シルヴァに向き直ったAは瞠目する
頑丈そうな鎖
それはフォンが用意してくれたAの鎖打棒よりもあきらかに大きく、強度がありそうなもので、禍々しいオーラを放っていた。
その鎖に、シルヴァが舌を這わす
「どうしたって、ねじ伏せたくなっちまう」
そんなシルヴァの様子はあからさまだ。
当人のAだけでなく、その様子をモニターで見ていた者達にも、彼の意図をくみ取るのはあまりに簡単であった。
リング争奪戦は二の次
今夜のシルヴァの目的はAの征服、ただそこにある
ヴァリアーが勝利するという絶対的自信からくるその思考回路に、他のヴァリアー側、沢田側守護者もモチベーションをあげた。
敗北は死を意味すると同時に、Aの死よりも苦しむであろう、地獄の始まりをも意味する
なんとしてでも勝たねば
「各フィールドに設けられたポールの上には各リングが置いてありますので、守護者の方は相手より先に入手してください…ただし
できればの話ですが」
チェルベッロがそう言うとリストバンドにあった仕込み針が作動し、全員が手首に針に刺された痛みを感じたかと思えばもれなく毒が注入され、その場に倒れ込んでしまった。
体が焼けるような痛みと苦しみに顔が歪む
「ただ今瞬時に神経をマヒさせる、デスヒーターと呼ばれる毒を注入しました。
30分以内にリストバンドへリングを差し込めなければ、守護者は絶命します」
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なの - 久しぶりに読みに来たのですが、やっぱりぽんかんさんの小説はとっても面白いです。どれだけゆっくりでもいいので、更新いつまでも待っています。 (5月6日 23時) (レス) id: 516891f2ca (このIDを非表示/違反報告)
po_poncham(プロフ) - 一夜さん» 長らく更新していてすみません、あたたかいお言葉ありがとうございます。ふたりとも幸せにするために頑張りますので、今後もよろしくお願いします。 (2022年2月24日 0時) (レス) id: feaf66d49a (このIDを非表示/違反報告)
po_poncham(プロフ) - 杏音さん» 長らく更新できずにすみません、シルヴァくんまた出てくるのでお楽しみにしていてくださいませ。 (2022年2月24日 0時) (レス) id: feaf66d49a (このIDを非表示/違反報告)
一夜(プロフ) - 初めまして。ぽんかん様のこの小説がとても大好きで何度も繰り返し読ませて頂いております。トガセちゃんもシルヴァくんもとても大好きです。お忙しいとは思いますが、いつかまた更新されることを願っております。素敵な作品に出会えて幸せです。ありがとうございます! (2020年12月26日 4時) (レス) id: a1724270ec (このIDを非表示/違反報告)
杏音(プロフ) - はじめまして。どちゃくそに好きです私..!シルヴァくんすごく好きです!!続き楽しみにしてますね! (2020年3月14日 4時) (レス) id: 966729f8ef (このIDを非表示/違反報告)
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