―129 不確定アイテム ページ29
「トガセさん！！」
ガラスの壁に阻まれて奥へ行くことは叶わず
沢田はその向こう、あまりの惨状に頭が真っ白になってしまった。
白かったのだろう
赤黒く汚れた壁に鎖を巻かれ磔にされた体は、力が入らないのかぐったりとしていて
切り裂かれた衣類には血がにじみ
花や葉、蔦のタトゥーに覆われた体は傷だらけで出血がひどく、よく見なくても古い傷痕が隙間を埋めている
そして同様に、猿ぐつわを噛まされたボロボロのその顔からは
両目の眼球が抜き取られていた。
「一体、なにが」
裏切ったはずのAが、こんな目に合っているというのだ。
久々に見た彼女、痛々しいその姿に沢田は吐き気さえもよおした。
動揺する沢田の姿を楽しみながら白蘭は席を立ち、ガラスにへばりついている沢田の元へ歩きはじめる
「君たちをダシにして、彼女を取り込んだところまでは良かったんだけどね
さすがに目の前でフォンを殺したのがまずかったのか、暴れだしちゃたから大人しくさせたんだよ」
「俺たちを、ダシに！？」
ボンゴレボスに代々伝わる超直観
さすがの沢田はすでに、事の一から十を理解したようだった。
「最初は彼女の両親だったんだけど、その場で始末させたらアッサリ受け入れてくれたんだ。
でも僕への攻撃は契約違反だからね、その代償を今日払ってもらおうと思って
自分のせいで愛したボンゴレが壊滅するなんてしたら、Aちゃんももう僕から離れられないだろう？
それに彼女はたったひとつ残ったレアアイテムかもしれないんだ」
ｶﾁｬﾘと
聞き馴染みのある音に振り返ると、白蘭は沢田へぶれることなく銃口を向けていた。
Aは裏切ってなんかいなかった。
確かにフォンがいなくなるまで、ミルフィオーレはボンゴレに一切手を出していなかった。
自分たちはAに守られていたのか
それなのに彼女はここでフォンの死を見せつけられ、いたぶられていただなんて
両目を失い、血の涙を流すまで
そんなことばかりが頭に浮かんで、沢田は白蘭の銃口を避けるどころか認識さえしていなかった。
かつての仲間の無残な姿を見て呆然とし、無抵抗な状態の沢田を討つ
すべては白蘭の思った通りの結末となった。
響く銃声に部屋へ飛び込んだ山本と獄寺は、倒れこむ沢田の元へ駆け寄る
「ツナ！！」
「十代目ぇ！！白蘭っよくも！！」
しかし彼らもまたAに目を奪われる
その隙にふたりも始末してしまおうと、白蘭は銃を構えるがその瞬間、白蘭と山本たちの間に氷の壁がそそり立ち一直線に逃走経路を作った。
この氷は
「はやく、にげな」
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なの - 久しぶりに読みに来たのですが、やっぱりぽんかんさんの小説はとっても面白いです。どれだけゆっくりでもいいので、更新いつまでも待っています。 (5月6日 23時) (
レス) id: 516891f2ca (このIDを非表示/違反報告)
po_poncham(プロフ) - 一夜さん» 長らく更新していてすみません、あたたかいお言葉ありがとうございます。ふたりとも幸せにするために頑張りますので、今後もよろしくお願いします。 (2022年2月24日 0時) (レス) id: feaf66d49a (このIDを非表示/違反報告)
po_poncham(プロフ) - 杏音さん» 長らく更新できずにすみません、シルヴァくんまた出てくるのでお楽しみにしていてくださいませ。 (2022年2月24日 0時) (レス) id: feaf66d49a (このIDを非表示/違反報告)
一夜(プロフ) - 初めまして。ぽんかん様のこの小説がとても大好きで何度も繰り返し読ませて頂いております。トガセちゃんもシルヴァくんもとても大好きです。お忙しいとは思いますが、いつかまた更新されることを願っております。素敵な作品に出会えて幸せです。ありがとうございます！ (2020年12月26日 4時) (レス) id: a1724270ec (このIDを非表示/違反報告)
杏音(プロフ) - はじめまして。どちゃくそに好きです私..！シルヴァくんすごく好きです！！続き楽しみにしてますね！ (2020年3月14日 4時) (レス) id: 966729f8ef (このIDを非表示/違反報告)
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