―102 独りの少女 ページ2
「撤回もなにも、あいつがそうしたんじゃ」
「ま、そんなことだろうと思ったぜ
あいつのことだ、実際の事なんて言うわけねーよな。
リボーンは君を、ただリボーン個人の監視下に置くよう提案しただけで、君が重要監視に指定されたと裏社会に公表された時なんか、すぐ談判しにかかってたんだ。
君は、10代目を支えるファミリーの一員なんだぞ、ってな」
薄い生地の病院服だからか、骨ばった肩がよくわかる
その肩から次第に力が抜けていったのも
ディーノはそんな、無防備な状態で目の前に佇むAの様子を眺めながら、病室を訪れる前、待合室で聞かされたフォンの言葉を思い返していた。
《彼女に対して抱いていた違和感も疑惑も、捨てろなどとは言いません。
しかしそれは警戒しなくていい、彼女に限って脅威になど成り得ない。
ただ信じて、自分の口から言い出すまで待つ。それでいいのです。
もし、彼女に対し、必要以上の詮索をして追い詰めたならば、私が相手に成るという事を知っておいて下さい》
その言葉は強烈な殺気と共に
あれは警告じゃない、脅しだ。
リボーンは数か月、フォンは一週間
最初は調教なんだと言っていたリボーンも、Aのデリケートは部分にはなかなか踏み込もうとはしないし
たった数日間だけの付き合いでよくも、アルコバレーノふたりの信頼を得たものだとディーノは心の中でうなった。
同い年の子たちよりは背も高いし大人びているから、もう二、三歳ほど歳が上だと言われても信じるだろう
発展途上だからか筋肉はついているが細い体
黒い髪に灰色の瞳、目の下には濃いクマ、うねり跳ねるくせっ毛。
色々と見た目のせいだろう、どうしても暗くて"悪い"印象を受けるのは
親は遠い異国の地に働きに出ていて、家にはもう数年帰っていないと
端から見ていて、笹川了平にクローム髑髏と
心を寄せられる相手はいても、やはり深くまで踏み込もうとはしない
踏み込ませまいとしているのはよくわかったし、彼らもそんなAの気持ちを察して気を遣い、距離を保っている
大きな世界の標的をそのちいさな体に受けて
たったひとり、どれだけ心細かったことだろう
「9代目はとても温厚な方だ。公表の判断も最後まで迷われていた。
それでも彼は裏社会を治めるボスで、秩序を守らないといけない立場
それと同時に、君を他の勢力から守るためにも、君がボンゴレのものであるとアピールしないといけなかったんだ」
知らなかった予想外の事実が続けざまに、Aの脳へ流れ込んできてキャパを超える
理解にいそしむ必死な姿も年相応だとディーノはまた笑った。
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なの - 久しぶりに読みに来たのですが、やっぱりぽんかんさんの小説はとっても面白いです。どれだけゆっくりでもいいので、更新いつまでも待っています。 (5月6日 23時) (
レス) id: 516891f2ca (このIDを非表示/違反報告)
po_poncham(プロフ) - 一夜さん» 長らく更新していてすみません、あたたかいお言葉ありがとうございます。ふたりとも幸せにするために頑張りますので、今後もよろしくお願いします。 (2022年2月24日 0時) (レス) id: feaf66d49a (このIDを非表示/違反報告)
po_poncham(プロフ) - 杏音さん» 長らく更新できずにすみません、シルヴァくんまた出てくるのでお楽しみにしていてくださいませ。 (2022年2月24日 0時) (レス) id: feaf66d49a (このIDを非表示/違反報告)
一夜(プロフ) - 初めまして。ぽんかん様のこの小説がとても大好きで何度も繰り返し読ませて頂いております。トガセちゃんもシルヴァくんもとても大好きです。お忙しいとは思いますが、いつかまた更新されることを願っております。素敵な作品に出会えて幸せです。ありがとうございます！ (2020年12月26日 4時) (レス) id: a1724270ec (このIDを非表示/違反報告)
杏音(プロフ) - はじめまして。どちゃくそに好きです私..！シルヴァくんすごく好きです！！続き楽しみにしてますね！ (2020年3月14日 4時) (レス) id: 966729f8ef (このIDを非表示/違反報告)
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