くまさんとはちみつ

＊ ページ42

Side：GREEN




北斗がうちに来てくれるなんて、あまりにも迷惑をかけすぎてるんじゃないか。そう思って隣にいる北斗に聞いても、寝てなって言われるだけ。



でも正直、北斗が来てくれることになってほっとしている。このまま一人だったら、俺はどうしてたんだろう。



車の揺れが眠気を誘い、瞼が段々落ちてくる。


Black『慎太郎、寝てて良いよ』




その声に安心して、いつの間にか寝息を立てていた。



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『…んたろ？しんたろ！…慎太郎！！』



俺を呼ぶ声が聞こえて、ハッと目を覚ます。

『着いたから降りるよ』


目を擦れば、北斗が申し訳なさそうに俺を見てる。


『起こしてごめん。歩ける？』

「うん、だいじょーぶ」



腰を支えられて、エレベーターに乗り込む。
部屋番号を伝えて、右ポケットからじゃらじゃらと鍵を取り出す。


『…しんたろ、どれ？』


熱でぼーっとして、頭が働かない。


「…どれだっけぇ、、。あ、」

犬の飾りがついた鍵を指差すと、開く扉。

『しんたろ、入るね』



もう力が入んなくて、完全に北斗に背中を預ける。

『寝室、どこ？』

「…え、ええっと、、いちばんてまぇ…」



暗い部屋に押し入れられて感じる、ふかふかなベッド。

気付くまもなく、深い眠りに落ちていった。

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