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Side:BLACK
本人が気づいてるのか知りたくて、思わず声をかけた。
案の定無理をしているようで、ぎこちない笑顔で否定してくる。
作り笑いほんと下手だよねって高地に言われてたのを思い出して、相変わらずなやつだな、とか思う。
「熱あんの、バレバレなんだよなー」
第一顔が真っ赤だし、喋り方がふにゃふにゃしてて幼い。
仕方ないか。
慎太郎が隠したいのなら、俺も協力する。
撮影が終わったら絶対に説教しよう、と意気込んで楽屋を出る。
俺はなんだかんだ、末っ子のことがほっとけないみたいだ。
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無事最後のカットも終わり、メイクを落として私服に着替えた。
廊下を歩き、楽屋のドアを開けようとして気付く。
さっきまでズカズカと隣を歩いていた慎太郎がいない。
バッと後を振り返れば、数メートル後方で壁に手を付いていた。
「ちょっ、慎太郎!?」
急いで駆け寄れば、顔をさらに真っ赤にしてゼエゼエ呼吸している。
「慎太郎、大丈夫!?!肩貸して、歩くよ」
力が抜けてダラダラと崩れそうになる慎太郎の腕を肩に担ぎ、真っ先に向かうは楽屋のソファ。
やっぱり。そういうとこ強がって、また無理をする。
俺頼りないのかな、なんて暗いことをつい考えてしまう。
横に寝かせれば、大丈夫だからって起きあがろうとする。
『だって今日マネ一人しかいないし。俺帰らないと北斗も帰れないよ』
こいつは、呆れるくらい人に気を遣って生きている。
「バカなの?ちゃんと寝て」
額を指で押さえたら、人は起き上がれなくなるらしい。
試しに軽くやってみたら、再びソファに寝転がる慎太郎。
今度は手のひらを当ててみると、額が引くほど熱い。
ほんとに慎太郎はバカだ。
これで隠そうなんて無茶すぎる。
「ねえ、慎太郎」
『何?北斗』
「今から家行っていい?看病するから」
どうせ、丁重に断られるだろうと思っていた。
『……お願いしてもいい?』
予想外の返事に、なぜか戸惑う。
「もちろん。行こっか」
いつも世話されるばかりだから、今日は俺の番。
普段と違う、金曜日。
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sih(プロフ) - そらさん» リクエストありがとうございます!!順番に答えさせていただくので少々お待ちください🙇♂️具体的でありがたいです🫶💕 (2023年2月11日 8時) (レス) id: 5ae6298616 (このIDを非表示/違反報告)
そら - sihさんのお話毎日の楽しみにさせていただいています。🐻がノロウィルスにかかって、吐き気や腹痛に苦しむお話が読みたいです。冷や汗をタオルで拭われていたり、お腹抱えている 🐻がみたいです。もしよろしければお願いします。 (2023年2月10日 20時) (レス) id: 50eefa7b64 (このIDを非表示/違反報告)
sih(プロフ) - omotigaloamoti1さん» こちらこそ、ありがとうございました🌷 (2023年2月7日 20時) (レス) id: b88fb8fe67 (このIDを非表示/違反報告)
sih(プロフ) - pota6さん» めちゃくちゃ具体的にありがとうございます!!😭精一杯書かせて頂くので少々お待ちください! (2023年2月7日 20時) (レス) id: b88fb8fe67 (このIDを非表示/違反報告)
omotigaloamoti1(プロフ) - リクエストに答えてくださりありがとうございました! (2023年2月7日 17時) (レス) id: 1b8f12af07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SUnfLoweR | 作成日時:2023年1月28日 2時